ついに訪れた侵略者達
「おはよっす〜」
超大型オメガ撃破から数日後、永戸達は事後処理に追われ、休日出勤をしていた。
「桐枝ちゃん、おはよう」
「コリー先輩、怪我とか大丈夫なんすか?」
「ううん、全然平気、ちょっと打っただけだもん」
コリーがお茶を運ぶ中、一同はオメガのデータを資料に収めていた。
「そういえば、オメガは何故あの様な姿じゃったのかの?」
「あの様な姿、とは?」
「あの人間の体をつぎはぎした様な身体のことじゃ、あのような醜悪な姿、全くいい趣味をしておるのう」
玉藻前の言葉に、フィアネリスが考え込み、確かに、とその場の全員が思う。するとフィアネリスがこんなことを言い出す。
「……あれが、もし取り込んだ人間の集合体……だとしたら?」
「……考えたくもないですね」
フィアネリスの想像を聞いて、エイルが震え上がる。その一方で、リオーネが椅子から立ち上がって吠えた。
「何仕事サボってんのよ、始末書はまだあるんだから!」
「分かっているから少し声量を抑えてくれ」
リオーネをライが抑える中、そういえばと桐枝は言う。
「そう言えば神癒奈先輩はどこっすか?」
「あいつなら都市の議会に資料を送りに行ってるよ、まぁ手渡ししてくるだけだし、今の議会は問題の多い人はいないし、あいつはのんびり仕事して帰ってくると思う」
そうやって仕事をしていくが。その時、火乃香は遠くの景色に妙な物を見た。
「ねぇ」
「何だ? 仕事中だぞ」
「あれって何?」
「ん?」
永戸は火乃香に言われた方を向く。すると、突然光の幕が破れたかの様に、虚空から巨大な飛行戦艦が現れた。
「な、なんだありゃあ⁉︎」
永戸は突然の景色の変わり様に驚く。そして、その巨大な飛行戦艦から何かがポツポツと降りていくのを見て、邦題が都市のあちこちに向いて砲撃をしていくのを見て、驚きは絶句へと変わった。
「本当に……なんだ、アレは……⁉︎」
永戸は飛行戦艦を見て、自身の記憶から何かないかと思い出す。すると、一つ、自身の記憶に紐付けられる出来事を思い出した。
「まさか……以前段三郎商会で調査した船の、仲間か⁉︎」
船の形状から見て、以前調査した船と関係のある戦艦ではないかと予測する。そして、その予想は、次に見えたものから確信になった。
『……!』
窓の外から小型の飛行バイクに乗った獣人が、ライフルをこちらに向けてきたのが見えた。それを見たフィアネリスは、火乃香と永戸の頭を下げながら言った。
「伏せてください!」
ババババとライフルが撃たれ、ガラスが突き破られると四課のオフィスの中に光線が飛んでいくそれはライフルを撃ち切るまで続いたが、撃ち切った後、獣人がマガジンを交換しようと腰に手を回した時、フィアネリスがデバイスを変形させた剣で、獣人の腹部を撃ち抜いた。
「ご無事ですか⁉︎」
「なんとか……」
部屋は散らかったが、皆無事の様だった。だがここでもたもたしていられない、こんな奴らが街を襲っているんだと知ると、永戸達は武器を取り、街へと向かったのだった。
ーーー
ビルから出て街に向かうと、街ではあちこちが獣人達に襲われていた。
「見て!」
火乃香が指をさす先を見ると、街の住民達が獣人達に謎の攻撃によって球体の中に入れられ、捕獲されていくのが見えた。
「冗談がキツくないか⁉︎」
永戸は飛び出していくと、謎の獣人を切り裂いた。球体……いや、カプセルというべきか、その中にいた住民を助けると、永戸達は次の敵へと移る。
「各自散開! 住民をどこかへ逃がすんだ!」
「逃がすって……一体どこへ⁉︎」
永戸の言葉にリオーネが反論する。確かに、逃げ場などどこにもない、今都市はあの飛行戦艦一つによって蹂躙を受けていた。
すると、高笑いと共にあの女がジープに乗ってやってくる。
「地下だ! この都市の地下ならば、奴らの手は届かない筈さ!」
「フェレッタ⁉︎ 何で前線に⁉︎」
「いやいや、ちょっと改良したバトルフレームのテストをね」
そう言っていると、フェレッタが作ったものであろう、新たなバトルフレームがローラーダッシュで走っていった。
「こんな時もあろうかと、とは常套句だが、こんな時は想像してなかった! だが! 都市の魔導科学を甘く見てもらっちゃあ困る! バトルフレーム隊! その力を持って薙ぎ払え!」
そうしてバトルフレーム隊が交戦を開始するが、ドカドカと射撃を撃ち込むと、容易く獣人は蜂の巣になっていった。
「はーっはっはっは! 見たか異次元人め! これがミズガルズの科学の結晶だ!」
「また何か降りてくるよ!」
再び飛行戦艦から何かが降りてくるが、今度降りてきたのはパワードスーツを着た獣人で、バトルフレームとぶつかり合うと、互いに押し合った。
「何⁉︎ 向こうもパワードスーツだと⁉︎」
「それどころじゃないみたいだぞ!」
バトルフレームが、パワードスーツ兵に押され負けると、、胴体部を銃剣で貫かれて爆散する。
「あ"ーっ! 数十億円の開発費がぁあああ! あんまりだぁ! どうしてそんな酷いことができるんだ! 弁償しろぉおおおおっ!」
「叫んでる場合か! フェレッタは逃げろ!」
フェレッタを逃がすと永戸達はパワードスーツ兵と交戦を行う。永戸がパワードスーツを斬ると、それはいとも容易く斬れ、パワードスーツ兵から血が溢れ出した。
「脆い脆い!」
フィアネリスら他の仲間もパワードスーツ兵に対応していく。幸いとも思えたのは、パワードスーツ兵がバトルフレームを倒せる程度で、こちら側と比べるとまだ非力だと思える程度なことだった。だがいかんせん数が多い。このままだと自分達も押され負けてしまう。そう思った時だった。
街からしん…と攻撃が止むと、辺りに静寂が訪れた。その静かさに、永戸達が違和感を感じるが、すると、街中のテレビやモニターに何かが映る。
「これは……⁉︎」
「映像のジャックです! しかし何処から⁉︎」
一瞬砂嵐が映るが、画面が切り替わると、そこは、都市の議会の部屋だった。そして、画面の中心には、狐の顔をした獣人が立っていた。
その獣人はカメラを確かめると、議会の人間達が倒れている中で、こう言葉を発した。
【愚かな人類へ、我々は別次元より来訪した生命体、お前達に分かりやすく言えば、"X"とでも名乗っておきましょう。今、お前達が愛していた都市、ミズガルズは、我々の手におち、我々の植民地となることが決まりました】
Xと呼称した生命体は、そんなことを言うと、黒い笑みを浮かべ、こちらを笑ってきたのだった。




