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ヒトとキツネの異世界黙示録Ⅱ  作者: 遊戯九尾
第二部第九章 巨大な影と、さらなる侵略者

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都市外郭部迎撃作戦

 年の外郭部にて、永戸達は配置される。作戦はこうだ、コリーとクレスによる壁部に設置されたレールキャノンで狙撃をする狙撃班と、前線で戦う兵士達による戦闘班、この二つに分けられた。


「今回はお願いね、クレス君」

「分かりましたよコリー先輩、けど、あんたは能力者だけど俺は非能力者だ、そんな俺が奴の核をピンポイントで抜けるのかな」


 コリーは相手の弱点を射抜くと大ダメージを与える能力、フェイタルポイントがある。だがクレスにはそういった特殊能力はない。正直彼は心配だった。


「大丈夫、私達の装備は敵の弱点を自動照準するスマートロック方式の照準器だから、撃つのはあくまで砲台、私達はその砲台の照準と引き金を引くだけしてればいいの」


 コリーとクラスはそれぞれ寝そべって、レールキャノンの照準器を持っては敵の来る方へ構えていた。


「本当にそれで終わればいいんだけどなぁ」

「弱音は吐かない、私達の狙撃に全てがかかってるんだから」

「けどよ、万が一失敗したらどうするんだ?」

「そういうもしもも考えない、私達は常に最良の結果を目指さなければならないから」


 普段はぽやぽやしたコリーだが、クラスは並んで寝そべっているとわかった。彼女は自分より遥かにベテランの狙撃手だと。こんな状況でもプレッシャーに負けず、落ち着いた様子で照準器を握っている。

 失敗した時のことも考えているだろうが、だが目の前の彼女は確実に勝利をもぎ取ろうとする姿を見せていた。

 その姿に、クレスはどこか惚れてしまう。


「……来た」


 コリーのその言葉で、クレスは身構える、すると遠くから、巨大なオメガが都市に向けて侵攻してきていた。


「目標を確認! 総員! 戦闘配置につけ!」


 オメガが見えてくると、一課のメンバー達はゾロゾロと防衛陣地を築いた。


「さて、俺たちの出番だな」

「本当にやるんですね?」

「当たり前だ、やることは怪獣退治と同じようなものだ、やるぞ」


 永戸と神癒奈がトライクに乗ると、他のメンバーは以前乗り込んだバトルフレームに乗り込む。火乃香はバトルフレームに、アンフェリアはフィアネリスと航空優勢を取る形になり、皆準備はできていた。


「隊長殿! いつでも指示を!」

「あぁ、攻撃開始!」


 トライクとバトルフレームが走り出し、一課による攻撃も開始される。強大な魔法による攻撃がオメガを何度も襲うが、オメガはそれに耐え切ると、口からビームを吐いては薙ぎ払ってきた。

 寸前で避けたフローレアが叫ぶ。


「相手、いくらなんでも規格外すぎでありまする!」

「当たり前だ! 今までの個体とは違う本格的にヤバい個体だ! 気を抜くなよ!」


 バトルフレームになったメンバー全員がオメガをロックオンすると、皆が火器による射撃を開始する。それはオメガの表面に突き刺さるが、ダメージが入っている気配がなかった。


「全然効いてない!」

「ここまで規格外だと倒すのは手こずる」

「永戸隊長! どうしますか!」


 メルト、南雲、煉禍とそれぞれが悩ましげに叫ぶ。

 するとここでフィアネリスから連絡が来た。


「敵には明確なウィークポイントがございません! 従って、狙うならば足回りを狙って、狙撃班のチャージが終わるまで動きを止めるのです!」

「試せるだけの手段は試してみる!」


 フィアネリスが空中から舞い降りるとオメガの足の部分となるムカデのような足にハイパー波動砲を連発した。一部の足が吹き飛ばされ、オメガの侵攻速度が落ちる。

 アンフェリアもバーストモードで反対側からハイパー波動砲を撃ち、カートリッジを消費すると共にオメガを鎮座させた。


「止まったよ!」

「いいえ! 再生されます! 引き続き攻撃を!」


 オメガが足を再度生やそうとする。そんな中で大量の爆撃や魔法が飛んでくるが、ここで、空から巨大な火球が降ってきた。


「アレ何⁉︎」


 思わず火乃香が叫ぶ。


「神癒奈さんの洛陽です! 総員、耐ショック!」

『洛陽!』


 神癒奈が手を下ろすと、絶大な爆発がオメガを襲った都市部では使えない最大火力の洛陽だ、その火力は戦術兵器に匹敵する。

 綺麗なキノコ雲を形成するが、煙が晴れると、オメガの背中部にぽっかり穴が空いた。


「ダメージ入りました⁉︎」

「えぇ、ですが足を止める程度です!」


 オメガが体を震わせると、立ち上がり、再び都市へと侵攻を開始、同時に体のあちこちからレーザーをばら撒き始めた。


「危ないっ!」


 オメガが侵攻する中、レーザーが火乃香の機体のシールドに当たるが、複層構造になっているシールドの装甲をほとんど撃ち抜き、シールドを使用不能にした。


「あんなの当たればタダじゃ済まないぞ!」

「じゃあどうしますか⁉︎」

「どうって……クソッ、ここで降りるぞ、俺たちは出来る限りの力をもって奴を倒す!」


 そうしてトライクから永戸と神癒奈が降りると、神癒奈は月光を発動させ、体を光らせ、永戸は赤黒い稲妻を迸らせると駆け抜けた。


「永戸さんに全魔力を回します! 本気で行ってください!」

「よし! 奥の手を使うぞ!『アフターバーナー!』」


 永戸から九尾の尻尾と耳が焔の様に溢れ出すと、彼は聖剣を手に構える。


「邪魔なレーザー口を全部叩き斬る! 焔月式抜刀術、弐式!」


 永戸は巨大な体に取り付くと零を発動させ、神速で敵を斬り裂いた。レーザー口は全て叩き斬られ、オメガの動きが零によって落ちた。


「若干効いたか!」


 地上に降りた永戸が、魔力回路温存のため、アフターバーナーを解く。すると神癒奈が前に出ると、神権を再び使用した。


「だったら! 『天崩!』」


 今度は空から強大な光を落とし、オメガの表面を焼いた。オメガの再生能力は封じられ、体は徐々に破壊されていく。


「よし! 行けるぞ! 狙撃班! チャージはどうなってる⁉︎」


 永戸達がそう言うと、通信でコリー達にそれが伝わった。コリーはその問いに叫んだ。


「チャージ率、100%まで残り十秒!」


 チャージの光か、レールキャノンから光が溢れ出す。クレスも、やや焦り気味で照準器を構えるが、狙いはしっかりつけていた。


「ターゲットロック……最終照準補正……よし……」


 スコープには二つの照準が少しずつ重なり合っていた。そして、二つが重なった時、コリーは言った。


「外しはしない」

「当たれっ!」


 二人が持つトリガーが引かれ、二つのレールキャノンから白銀砲弾が真っ直ぐに光の線を描きながら飛び、オメガを貫いた。

 その時、ポツリとコリーは言った。


「フェイタルポイント確認、敵の核を撃ち抜いたよ。


 霧散その場でぐったりと動きを止めたオメガに、コリーは命中を確信したのだった。

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