状況整理①
私はニオの母親の部屋をでたあと、私の部屋へと向かっていった。
私は梯子を上り、上向きの戸を開け寝床へと入る。
とりあえず考えたのは今日のことだ、今日は沢山の情報が集まった、特に気になったのは人さらいとの関係だ、部下の発言やあの資料がある、ほぼ確定と言っていいだろう。今一番恐れるべきは報復だ、関わりがあり武器を売買していた盗賊を壊滅させたり、人さらいの組織メンバーも2人ほど殺害してしまっているだろうからだ、最悪この村も狙われかねない。そんなことを考えていると戸からノックが聞こえてきた、そのノックの音に返答する
「入っていいぞ、なんだ?」
そう返事をすると戸からニオが顔を出す
「雪花ちゃん、ご飯だよ!一緒に食べよ!」
「わかった今行く」
私は返事をし、ニオと一緒に戸を開け梯子を下りリビングへと向かった。
「冷めないうちに食べなさい」
そんなニオの母親の声が聞こえた、その言葉にまず最初に返答したのはニオだった。
「はいはーいいただきまーす!」
声が聞こえる前から食べる気が満々だった、そんな説明がついてしまうほど早くニオがご飯を食べ始める。
それにつられたようにニオの父親も
「いただきます」
そう挨拶をし食べ始める、私もすぐ後に
「いただきます」
挨拶をして今日初めてのご飯を食べ始めた、今日のご飯もシチューらしい、なぜシチューが多いのだろうかこの地域が寒いからだろうか、そんな考えが巡るがすぐに考えることが馬鹿らしくなり考えるのをやめる。
「おいしいね!雪花ちゃん!」
「そうだな、とてもあったかくておいしい」
他愛のない会話を交わしながら暖かい食卓を囲む、私にはもったいないと思えてしまうほど暖かい食卓を。
「ごちそうさまでした」
私は挨拶をし食器を片付け自室へと再び戻ろうとしていた、そんなときニオが私を引き留める。
「ねえ雪花ちゃん、今日温泉に行かない?」
そんな誘いだ、その誘いに私は
「温泉というのは何なんだ?」
誘いに質問を投げ返すと、ニオが驚いた顔をし
「え、温泉のこと知らないの?じゃあ連れてってあげる!今から行こ!」
「わかった、どこにあるんだ?その温泉という奴は」
「ええっとね、ついてきて!」
「わかった」
ニオの勢いに流されて私はその温泉という場所に向かうことになった。




