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RDW+RTA ~リアルダンジョンズワールド プラス リアルタイムアタック~  作者: 相生蒼尉
第5章 その2『RDW+RTA+ADV ~鈴木の大冒険(アドベンチャーゲーム)~』

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29 鳳凰暦2020年8月21日 金曜日 平坂第4ダンジョン――通称『森ダンジョン』(2)



 あたしが心で何を考えていたとしても、鈴木くんの話は続く。


「モンスターは獣系統と、虫系統が中心になる」

「もふもふ」

「そっちはいいけど、虫はダメかな……」


 嬉しそうな顔をした矢崎さんとは対照的に宮島さんの顔がくもった。本当に嫌そうな顔なので、かなり虫は苦手なのだろう。


「虫が苦手なタイプの人は、覚悟を決めておくように」

「え? どういうことです? 鈴木先生?」


「普通の虫よりはかなり大きいな。でも、とんでもなく大きいってことはない。森ダンにはそこまで巨大なタイプはいないから」

「ああ、そういう……」


「今すぐ戻りたいかな……できれば他のダンジョンがいいんだけど……」

「頑張れ、宮島」


 矢崎さんがぽんと宮島さんの肩を叩いて慰めている。

 でも、大きな虫というのは……苦手でなくともあまり見たいものではない気がするんだけど……。


「あたしも虫はちょっと……」

「水跳ちゃん、しょこは頑張って」


 那智さんも宮島さんと同じく虫は苦手なようだ。

 意外だけど、端島さんは気にならないのかもしれない。珍しく、端島さんが那智さんを励ましている。


「まあ、嫌だという気持ちを攻撃力に変換してここは頑張ってほしい。ビビって動けなくなるというのは危険だから避けないとダメだな。ただ、僕たちの強さなら……簡単に倒せるのは間違いない。これもまた『神殿』と同じで、階層のプラス2のモンスター……つまり1層だと3層格までが出てくる。そして6層格より上はボスの7層格だけだ。そっちは地獄ダンと同じで、4層まではモンスターが強くなるけど、5層だと5層格と6層格、6層だと6層格だけになる。それ以上の強さはない」


 地獄ダンでの12層格との戦闘経験は、そこに関係しているのかもしれない。鈴木くんの狙いはそういうことだろう。

 強さの底上げというか。

 12層格と戦える強さがあれば、ボス戦でも相手が7層格ならあまり問題はない。その点はかなり安心できる部分だろう。


「……ボスが7層格ってことは犬ダンくらいなんだな」

「そうね。ただ、1層からいきなり3層格が出る関係で、初心者用のダンジョンにはなっていないのでしょうね」

「なるほど、さすがは下北先輩……」


 確かに、初心者ダンジョンにするには問題がありそうだ。

 いきなり3層格のモンスターに襲われると……命にかかわると思う。初心者だと無理な話だろう。


「それで鈴木先生、どんなもふもふとか、どんな虫が出るんですか?」

「ウルフは『神殿』で見たよな? あのタイプで色違いが3種類。黒、白、赤だ。赤は5層格より上しかいないけど……マジックスキルのようなブレス攻撃があるからそこは要注意」

「ブレス! すごい!」


 ……どうして矢崎さんは嬉しそうに反復してるの? 危険なのよね?


 ブレス攻撃というのは……地獄ダンでも経験がない部分なのだ。

 気を引きしめるべきだろう。


「まあ、3色あるけど全部まとめてカラーウルフっていう。それと同じでカラーモンキーってのもいる。お猿さんたちは木の上からの投擲での攻撃と、背後へ下りてきてひっかきとかみつき。投擲で木の実を投げてくるけど、色が紫のやつは毒だからそこも要注意」

「毒攻撃!」


 だから、どうして矢崎さんは嬉しそうなの? 毒なのに? 危ないのよね?


「毒はちょっと怖いかな?」

「どうせなんか対処法とかあるんだろ? 鈴木くん?」


「まあ、しばらく歩くのが辛くなって、マシになってからライポを飲むくらいかな。『ライトヒール』でもいい。本当に危ない毒なら僕がスキルでどうにかする」


「そういうスキルもあるのかよ……」

「鈴木はすごい」


 鈴木くんの非常識さに呆れた顔をした五十鈴に対して、矢崎さんの目はキラキラしすぎだと思う。


「あとはボアか。これはイノシシだね。突進力があるから、転倒しないように踏ん張ること。どっちかというと、可能ならちゃんとよけてほしい」


「狼と猿と猪ですね! あと、虫は?」

「虫は見たくないかな……聞きたくもないけど……」


「クモとハチがいる。基本はこの5種類で、虫はどっちも毒攻撃ありだから要注意」

「またしても毒!」


「まあ、これまで12層格を相手にしてきたから、くらったとしても毒の影響はほとんどないと思っていい。ただ、わざわざそれを試す必要はないってだけで」

「そんなん試す気とかないって……」

「そうよね。嫌よ、毒なんて」


 あたしは五十鈴に力強く同意した。

 鈴木くんはあたしと五十鈴の言葉には反応せずに、下北先輩を見た。

 下北先輩がびくりと反応する。


「あと、4層からは下北先輩にはあの刀を使ってもらいます」

「……あれを?」

「そうですね。ここでドロップさせときたいので。新しい防具を」

「ここでもウルフは防具がドロップするのね……」


 ……確かに『神殿』でも、地獄ダンでも、ウルフからは防具のドロップを見たことがあるけど……森ダンジョンだと新しい防具? ブレストレザーではない何かがドロップするの?


 本当に鈴木くんのダンジョン知識は謎だらけだ。

 それでも、今までその知識にずっと助けられてきたことは間違いない。

 本当に、ダンジョンに関することはどこまでも調べ尽くしているのだろう。


 こうして、あたしたちははじめての森ダンジョンへと挑み始めたのだった。






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  ▼▼▼ 新連載公開中! "「なんとか魔術師」っていわれても!? それ、何!?" ▼▼▼  
なんとか魔術師かーど〜しよう?

― 新着の感想 ―
矢崎さんが鈴木の前世に居たら絶対検証班だったでしょうねー。
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