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RDW+RTA ~リアルダンジョンズワールド プラス リアルタイムアタック~  作者: 相生蒼尉
第5章 その2『RDW+RTA+ADV ~鈴木の大冒険(アドベンチャーゲーム)~』

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29 鳳凰暦2020年8月21日 金曜日 平坂第4ダンジョン――通称『森ダンジョン』(1)



「わっ、もう森の中? いきなりこういう感じなんだね」

「……これは、難易度が高い」

「エミちゃん? どういうこと?」


 今日から明日まで、この2日間かけてのダンジョンアタックは、平坂第4ダンジョン――通称『森ダンジョン』に挑む。


 あたし――高千穂美舞は、はじめて見る森ダンジョンで視線を動かしていた。

 感想は酒田さんとほぼ同じで、いきなり森の中なの? という感じだ。


「難易度が高いと思ったのはどうしてなのかな?」

「あたしも聞きたい。まだ難易度とかよく分かんないだろ?」


 宮島さんと五十鈴も矢崎さんの方を向いていた。


 周囲を見ながら五十鈴の疑問に答えた声は、矢崎さんではなく、下北先輩のものだった。


「……入口の周囲全体が森だということは……ここに戻るのが難しいということかしら?」

「それが言いたかった」


 下北先輩の言葉に矢崎さんが力強くうなずいた。


 ……言われてみれば確かにそうだ。


 一度、この入口から離れて森の中に入ったとする。そうすると、もうこの入口がどこなのか、判別する方法はない気がする。

 つまり、入口に戻れないということになる。


「それなら……何か目印を残しながら進むとか、かな? 色つきのひもとかでそのへんの木の枝に結んだりとか?」

「いや、それは無理じゃないか? 時間が経ったらその目印がダンジョンに吸収されるだろ、たぶん」

「あ、そっか……」


 宮島さんと五十鈴のやりとりで鈴木くん以外の全員が考え込む。

 それでも、対策は誰も口にしなかった。


「……ここってつまり、帰れないダンジョン?」

「それは怖しゅぎるよ、水跳ちゃん……」


 まだ森ダンジョンに入ったばかりだというのに、那智さんと端島さんは軽く抱きしめ合うようにしてふるえている。


「鈴木、対策」

「シンプルな方法がひとつあるからそれでいく」

「シンプル?」


 首をかしげた矢崎さんに向かって、鈴木くんが自信満々にうなずいた。


「あ、なるほど……」

「エミちゃん、分かったんだね?」

「分かった。確かにシンプル」


 矢崎さんもうんうんとうなずいている。


 ……出入口に戻るシンプルな方法って、まさか⁉


「……ボスを倒すってこと?」

「それ」

「高千穂さん、大正解。ボス戦のあとで転移陣に入ればここに戻るから問題ない。それだけのことだよ」


 それだけのことって……。

 はじめて入ったダンジョンを当然のようにクリアできると考えてることの方がおかしいのに⁉

 そんなこと考えつくはずがないじゃない!


「なるほど、それは納得ですね。さすがです、鈴木先生」

「確かにそれなら迷わず戻ってこれるかな」


 酒田さんと宮島さんは鈴木くんのこういう部分を疑ってないから……。


 そもそも岡山さんは何の疑いもないらしく、発言すらしていない。そこまで信じていても大丈夫なの?


「何層あるのか、どういうモンスターが出るのか、どこにボス部屋があるのかも分からないというのに、クリアすることを前提として考えるのは危険ではないかしら?」

「そうだよ、下北先輩が言う通り。さすがにこの森でいきなりボス戦まで攻略っていうのは無理だろ、鈴木くん?」


 下北先輩があたしも思っていた不安な部分を的確に指摘してくれた。そこに便乗するように五十鈴も鈴木くんに対して無理だと発言する。


「あたしもそう思うんだけど……?」


 もちろん、下北先輩と五十鈴をサポートするように、あたしも同意見だと示していく。


「同じく。難易度が高いのは間違いない」


 鈴木くん側のようでいて、矢崎さんもあたしたちを擁護するような意見を出してくれた。


「だから、鈴木、ちゃんと説明して」


 それでいて矢崎さんは、鈴木くんがこのダンジョンについて説明してくれることも疑っていないらしい。

 あたしたちの味方というよりは、どちらかといえば中立というところなのだろう。


「とりあえず、森ダンは6層構造。6層とはいっても、全部同じ平面上にあるからそのへんは分かりにくいかもな。たまに変な隠しスポットもあるんだけど……」

「隠しスポット?」


 矢崎さんが目を輝かせてその部分に食いついた。


「……その話はあとで」

「む、残念……」


「森をある程度進んでいけば川がある。どこの階層もそれは同じで、その川にかかっている橋が階層間の安全地帯になってる。ここまではいいかな?」


「階層の境目が必ず川になっているのね?」

「そういうことです、先輩」


「つまり、一度、川を見つけてしまえば、そのまま川沿いに移動すればいいということかしら?」

「『神殿』も実は同じですよね? あっちの場合は川ではなく湖だけど」

「そうね……確かに……」


 返事をした下北先輩は少しだけ考え込むような表情になった。


 鈴木くんは『神殿』ダンジョン攻略のために必要だからという理由で、この森ダンジョンにあたしたちを連れてきている。

 そこに『神殿』ダンジョンと同じような状態があるというのは……鈴木くんが言っていたように、先に森ダンジョンへと挑んでいれば『神殿』ダンジョンでそれを応用できたということ?


 鈴木くんには悪気はないんだろう。

 でも、こういう部分で下北先輩はいろいろと鈴木くんに分からされていくのかもしれない。


 ……だから、鈴木くんが苦手になっていくのかも。


 あたしと五十鈴がそのあたりのフォローをしなきゃいけない。

 下北先輩にはもうあまり時間がないし……先輩には『神殿』をちゃんとクリアしてほしいから。






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