↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/6

第5話 謝る

 障害福祉制度を利用する受給者証を発行してもらい就労移行支援のある事業所を利用を始めた。


 インターネットで探してる限り、就労移行支援は工賃すらもらえないと書かれていた。僕の通う就労移行支援事業所は就労継続支援B型よりも低いが工賃を支給してくれるらしい。すでに1度工賃はもらっている。


 そんな夏のある日。働いているであろうかつての知り合いから連絡が来た。そうだ、中学生の頃に『好き』『好き』言ってストーカーしていた女の子だ。


 インターネットというものは便利なものだ。かつての学友の動向も覗けるものもある。そのSNSから会おうと連絡が来たのだ。タイミング悪くちょうどうとうと始めた23時過ぎだ。


 かつて好き好き求愛していた異性から会おうと言われてもウキウキルンルンすらしない。何か裏がありそうだ。とは言っても断ることもせず、会うことになった。


 しばらくして金曜日の夜だ。


 かつての学友との会食だ。今となっては何も思わない。どちらかといえば、あの頃ストーカーしていたことを謝りたい。


「久しぶり!」

「あ、うん、久しぶり」

「変わんないねー」


 よくある格安フレンチでご飯を食べた。色々話した。僕は『中学生の頃に好き好き言っていたから君の青春を奪ってごめん』と謝った。彼女は『終わった話だよ』と笑った。お会計も終わった。後は電車に揺られて帰るだけだ。


——ちょっと2人きりになれない?


 ピクンと心が跳ね上がった。でも、それはかつてのようなピュアピュアな『好き』ではなく、大人の『好き』に近い。……いや、誰でも良かったかもしれない。


「……でも、僕は……」

「そっか」


 彼女はキャミソールを意図的にずらしてブラを見せた。本能というものは恐ろしい。好きでない異性をドキッとしてしまった。


「いや、ダメだよ、さっき話したように僕は障害者で……誰かと付き合うつもりは……」


 フッと彼女は笑った。


「大丈夫、大丈夫! 私もあなたとは友達でいたいから」

「え、じゃ、なんで、2人きりとか上着ずらしたの?」

「いや、そんなん暑かったから、ただ、もう少し話したいなと思ってたから、ごめんね、またキミに勘違いさせて私の青春なくなるとこだったね」


 その後ケラケラ笑いながらカラオケボックスに入った。歌うわけではなく個室で監視カメラで見られても大丈夫なバカ話をした。日本人のほとんどの人が連絡を取り合ってるアプリを交換した。



 それから数ヶ月後、僕は就労移行支援事業所から公共機関のチャレンジ雇用という名目のパートタイマーとして隣の市で働き出した。

 そして、中学生の頃にストーカーしていた子とは今はお互い恋愛感情を持たない親友となった。

第6話 働けない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。