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【書籍化決定】ねえ親友。今日もキス、しよっか?  作者: ゆめいげつ
最終章 俺たちは幸せなキスをする

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第325話 「「「「すみませんでしたっ!!!!」」」」

「「「「すみませんでしたっ!!!!」」」」


 全員が向き合って土下座をした。

 俺、早霧、長谷川、ゆずる……全員が、土下座である。

 

 何故このような事になったかと言えば、答えは簡単だった。


  ◆


「れ、蓮司の親友は私だけなんだからー!!」

「八雲ちゃん!? いつからそこにっておわぁっ!? 俺パンツ一丁じゃん!?」

「おい待て早霧くっつくな離れろ!?」

「やだー! だって蓮司の親友は私だけだもん!!」

「ご、ごう……そのぉ……あのぉ……」

「ゆ、ゆずるちゃんっっっっっっ!!!!???? えっ、はっ、よっ、ぬぁ、み、見ないでくれぇっ!?」


 早霧に抱きつかれて身動きが取れなくなる俺。

 俺に抱きついたまま顔を胸元にグリグリ押し付ける早霧。

 パンツ一丁のまま両腕で胸元を隠して床に丸くなる大男長谷川。

 ぶつけた頭を両手で押さえながら顔を真っ赤にして机から出てくるゆずる。


 一瞬にして俺の部屋が混沌に包まれた。

 それはもう、夏の通り雨が優しく思えるぐらいの波乱を巻き起こしたのである。


   ◆


「まさかゆずるちゃんに、俺の裸を見せてしまうなんて……」


 エントリーナンバー、一。

 ジャージに着替えた長谷川。

 この中で一番落ち度が無いが、ゆずるにパンツ一丁を見せた事による反省だった。


「う、ううんっ! わ、わたしも……そのぉ……隠れて、見ちゃった、し……」


 エントリーナンバー、二。

 まだ赤い顔を俯かせるゆずる。

 隠れた事はともかくとして、好きな人の半裸を見てしまった事による反省だった。


「でも、蓮司の親友は私だけだもん……」


 エントリーナンバー、三。

 不貞腐れている早霧。

 ガバガバの隠れ方から我慢出来なくて飛び出した第一人者で、反省の色はあまり見えないが、悪い事をしたとは思っているようだ。


「……すまなかった」


 エントリーナンバー、四。

 もう一度土下座をする、俺。

 どんな理由があろうとも、俺が長谷川に隠さなければこんな惨事にはならなかったからだ。


「いや、俺もいきなり押しかけた時点で……八雲ちゃんがいるとは思うべきだった」

「長谷川……」


 そんな俺に器も大きい長谷川が気にするなと手を振ってくれる。

 申し訳なさでいっぱいな俺だが、その優しさは本物で……。


「ただ、お前がゆずるちゃんに手を出していたら、俺は始末するしか無かった……」

「する訳ないだろ!?」


 その眼光も、本物だった。

 友達から向けられるとは到底思えない、殺意の込められた瞳だった。


「そ、そうだよごう! 元々は、わたしが二人に用事があってお邪魔しちゃっただけだし! えっと、そのぉ……ごうに、喜んでほしくて……」

「ゆ、ゆずるちゃん……! お、俺に……!?」

「……う、うん! それにれんじは、さぎりん一筋だよっ!」


 そこにゆずるが顔を真っ赤にしながら助け船を出してくれた。

 長谷川も本気で俺がアレコレするとは思っていないようで、ゆずるの言葉に感銘を受けながら――。


「わ、わたしが来た時だって、さぎりんがベッドでれんじに甘えてたんだよっ!!」


 ――その純粋な正直さが、突然……牙を剥いたんだ。

 ゆずるによる、俺が節操のない男だと誤解されない為の言葉だったんだろう。


 ありがとうゆずる、流石は俺達……自分らしさ研究会の会長だよ。


「蓮司は、私の親友だもん……」


 だけど、その優しさも今は凶器なんだ。

 だって弁明しようにもそれは事実だし、早霧がまた俺にくっついたまま頬を膨らませていたせいで――。


「赤堀……その、すまん……二人の、邪魔をして……」

「…………謝らないでくれ」


 何故か俺が、謝られる側になってしまった。

 それはもう……とんでもなく、気まずかったんだ。

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