親友のメモ
Ⅱ限目の魔法薬学の授業では、変身薬を作ることになった。
「変身薬は呪文を唱えなくても変身できる薬よ。変身魔法が苦手な人におすすめね。それから―――」
今、変身薬について説明しているのは、魔法薬学の先生であるエレノア・クラーク先生。
この人も驚くほど美人だ。
そのため、生徒からの人気も凄まじく、いつも生徒に囲まれている。
オリビアといい、エレノア先生といい、本当に、この学園には美男美女しかいないのか...?と、二人を見るといつも考えさせられる。
「じゃあ、今から変身薬の調合手順について説明するわね。」
あ、ここからはしっかりと聞いておかないと。
隣を見ると、オリビアが熱心にメモに何か書いていた。
「オリビア、何書いてるの?」
「何って、変身薬についての説明をメモしてるだけよ?」
そう言いながらオリビアは、メモを見せてくれた。
確かに、さっきのエレノア先生の話が丁寧にまとめてあった。
「ほんとに抜け目ないね」
「そうかしら?これくらいは当たり前の範囲だと思っているけれど...。」
「...私、メモしてない。」
「あっ...。ごめんなさい。悪気はないの。」
「ううん、大丈夫。オリビアに悪気がないのは知ってるし、メモしてない私が悪いんだし。」
「本当にごめんなさい。」
「もういいってば。」
そんなことを話していたら、エレノア先生が私達に声をかけたところだった。
「変身薬の調合手順は以上よ。これからは各自で作ってもらうわ。みんな、怪我のないようにね?もし、怪我してしまったら、すぐに私に知らせるように。」
しまった。
オリビアと話していたら、変身薬の調合手順を聞き逃してしまった。
一人だけ変身薬を作れなかったとあいつに知られたら...。
それだけは絶対に嫌だ。
「...ソフィア、もしかして、エレノア先生の説明聞いてなかったの?」
「え...、なんでわかったの?」
「顔に出てるわよ。」
「うっ...。そんなにわかりやすいかなぁ?」
「ええ。とても良くね。それと、変身薬の調合手順のメモを渡すわね。」
「え、いいの?」
「親友なんだから当たり前じゃない。」
「オリビアぁ...!」
「ほら、早く作りましょう。」
「うん!」
その後、私はオリビアの丁寧なメモを見ながら、変身薬を調合した。
綺麗すぎてメモの後ろから後光が差しているような...。
私は後光が差しているメモをオリビアに丁寧に返した。
返したときにオリビアから
「そんな丁寧に返さなくてもいいのに。」
って笑いながら言われたのは内緒。
なぜなら、その笑顔が完璧すぎて、クラスメイトが鬼の形相になっていたのだから。




