親友の調べ学習
図書館にたどり着いたところで、私はやっとオリビアの手を離した。
私は、あいつが頭を過ぎり、一瞬俯いたが、すぐにオリビアを振り返って
「早く行かないと先生に怒られるよね。」
と声をかけた。
オリビアは心配そうな顔で私のことを見ていたが、すぐに
「そうね。」
と返事をしてくれた。
心の中でオリビアに謝りつつ、図書館の重い扉に向かって呪文を唱えた。
「เปิดประตู」
すると、重い扉がギギギと音を立てながらゆっくりと奥に開いていった。
この学園の図書館は魔法界で一番大きくて、歴史がある。
昔の魔法界のこととか、魔法の成り立ちとか、魔法界の歴史のすべてがここに詰まってる。
だから、魔法の使用も扉の開閉しか使っちゃだめだし、一般人は勿論、生徒たちも先生でさえ普段はここに入れない。
それくらい、この図書館は大事にされている。
ここで本を壊したり、扉の開閉以外で魔法を使ったりしたら...。
とんでもない罰を受けることになるって生徒たちの間では言われてる。
まあ、当たり前だと思うけどね。
図書館内に入ると、既に数人のクラスメイトたちが先に来ていた。
図書館では静かにしていないと図書館の利用を一生禁止にされるから、みんな黙って調べている。
教室と違って、オリビアと入った瞬間に睨まれたりするようなことはないから、そこは安心できるけど。
「...私達も調べに行きましょうか。」
「そうだね。」
そう言うと、オリビアは、何の躊躇いもせずにⅡ階へ上がった。
そして、どこに何の本があるのかわかっているかのように、迷いなく本棚の間を進んでいく。
私は、時々本棚を眺めながらオリビアの後を付いて行く。
しばらく歩いたところでオリビアの足が止まった。
「ここが四大元素の本が並んでいる本棚よ。」
目の前の本棚を見上げると、オリビアの言う通り、四大元素の本が並んでいた。
「...オリビア、まさかとは思うけど、全ての本の場所を覚えてるの?」
「当たり前でしょう?」
「ここに来たのってまだ数回だよね?」
「ええ。そうよ。」
「......。」
優秀すぎてもう言葉が出てこないんだけど...。
私はとりあえず手近にあった土属性の本を手に取った。
一冊じゃ不安だからもう二冊くらい持っておこうかな。
一冊目の本の近くにあった、別の土属性の本を二冊、手に取った。
これくらいでいいかな。
さて、オリビアは...。
オリビアの方を振り返って私は驚愕した。
オリビアは分厚い水属性の本を十冊も手に取っていたのだ。
「えっと、オリビア?まさか、それ全部読む気...?」
「ええ、そうよ。」
「......。」
私はまたしても言葉を失ってしまった...。




