私のメイド?
マズい。
こいつが入ってきてから鍵を閉めていなかったから誰か入ってきた。
不審者とかだったら、こいつを無駄に刺激してしまって、ホーリーの命の危険が更に高まる...!
それだけは絶対に防がなきゃ。
家に入ってきた人物は、私とこいつがいるリビングに一直線に迷うことなく向かってきた。
ヤバい。
どうにかして逃げないと...!
そう視線を彷徨わせていると、リビングの扉が開かれた。
終わった。
せめてこいつを刺激するのだけはやめて...!
そう思って目を瞑っていると、聞き慣れた声が耳に届いた。
「ソフィア様?この方は一体...?」
「え?」
私は恐る恐る目を開くと、そこにはメイド服を着た女性が立っていた。
「カリーナさん!?なんでここに!?」
この人はカリーナさん。
小さい頃から独り暮らしを余儀なくされた私が、一番最初に当たった壁が金銭問題だったのだ。
そこを、たまたま通りかかったカリーナさんに助けてもらったのだ。
今も、自分では稼げないから、カリーナさんに毎月、生活費をもらってやりくりしている。
「丁度この近くで用事があったのですが、終わったので様子を見に来ました。」
うぅ...その気持はめっちゃ嬉しいんだけど、タイミングが...。
「それで、ソフィア様。この方は?」
「お前こそ誰なんだよ。」
ルシウスが会話に割り込んできた。
「私は、ソフィア様のメイドのカリーナと申します。」
「ふーん。てか、お前、メイドいたのかよ。」
「あんたに言う必要ないでしょ。」
「それで、ソフィア様。この方は?」
「え~っと......腐れ縁のムカつくやつ?」
「紹介の仕方下手すぎだろ...。」
「では、なぜこの方はホーリー様を捕まえて炎を近づけているのですか?」
「こいつが俺の言うことを聞かねぇからだよ!」
「なるほど...。では、今すぐホーリー様を離してもらえますか?」
「は?なんで?」
「ソフィア様がソフィア様のお母様と繋がれる大事な子なので。」
「カリーナさん...。」
すっごい嬉しいんだけど、こいつがそう簡単に離すかどうか...。
「取れるなら取ってみろよ。」
「わかりました。」
そう言うと、カリーナさんは目の前から消えた。
「ふぇっ!?」
「ソフィア様、どうぞ。」
近くでカリーナさんの声が聞こえて、声がした方を向くと、いつの間にかホーリーを抱き上げたカリーナさんがいた。
「え!?」
「は!?」
あいつも、いつの間にか手からホーリーが居なくなっていて、混乱している様子だった。
「ホーリー様はこれで大丈夫ですね。」
「え、あ、う、うん。ありがとう。」
私は、混乱しながらお礼を言った。
だからこそ、気づかなかった。
あいつが顔を真っ赤にして炎を向けていることに。




