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母親の料理

 しばらくして、扉がノックされた。


「オリビア、ご飯ができたわよ。」


「...わかりました。すぐ行きます。」


 遂に夕食の時間が来てしまった。


 ...私にとって()()()()()()()が。


 私は、読んでいた本に栞を挟み、パタンと音を立てて閉じた。

 そして、何事もなかったかのようにリビングに向かった。


 リビングには、既にお母様とお父様が座って待っていた。


「お待たせしました。」


「私達も今座ったところだから、全然大丈夫よ。」


 お母様はにこやかに笑っているが、お父様は厳しい顔で私のことを見つめていた。


「...お父様、何かありましたか?」


「...いや、何でも無い。それより、早く食べるぞ。」


 そう言うと、お父様は自分の皿に盛り付けられたお母様の料理を口に運び始めた。

 お母様もお父様が食べ始めると、料理に手を付け始めた。


 私は、自分の皿に盛り付けられたお母様の料理を暫く眺めた後、口に運び始めた。


 これは...大丈夫そう。

 これも...大丈夫そう。

 今日は大丈夫なのかな...。


 でも、最後までわからないから、気をつけて食べないと...。


 黙々と料理を食べていたお父様が口を開いた。


「オリビア、最近の調子はどうだ?」


「いつも通りで、特に変わりないです。」


「そうか。勉強と魔法の方はどうだ?」


「今日の昼前の自由時間で、ソフィアと一緒に回復魔法(ヒール)の練習をしました。」


「ほう...。結果は?」


「無事、成功しました。」


「そうか。」


 そう言うと、お父様はまた食べ始めてしまった。

 それを見て、私もまた料理を食べ始めた。


 *:゜+。.☆.+*✩⡱:゜ *:゜+。.☆.+*✩⡱:゜


 少し会話もしつつ食べていると、いつの間にか全ての料理を食べきっていた。


 三人とも食べ終わったところで、私達は解散した。

 お父様は書斎へ行き、お母様はキッチンへ行った。

 私は、一度、自分の部屋へ戻り、着替えを持って風呂場へ行った。


 *:゜+。.☆.+*✩⡱:゜ *:゜+。.☆.+*✩⡱:゜


 その後、魔法で髪の毛を乾かしながら本を読んでいたら、扉がノックされた。


「オリビア様、少しよろしいでしょうか。」


「ええ。どうぞ。」


 そう返事をすると、メイドさんが扉を開けて入ってきた。


「近頃、天気が良いので、布団でも干そうかと思っているのですが、いかがなさいますか。」


「そうね。折角だし、お願いしようかしら。」


「かしこまりました。それでは失礼します。」


「ええ。ありがとう。」


 メイドさんは、私に向かって一礼すると、部屋から出ていった。

 私は、その背中を見送ると、本に視線を戻そうとして、宙を眺めた。


 ......いつか、私の秘密をソフィアに打ち明けられる日が来るのかしら...?

 ソフィアも何か秘密を抱えているみたいだし...。


 ...............。


 そうなった時、私達の関係は変わってしまうかしら...。

 そうなったら...きっと、私は―――

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