私の腐れ縁
「よぉ、ソフィアさん?」
にやにやしながら私の名前を呼んでいるこいつに、無性に腹が立って仕方がない。
「...気安く呼ばないでくれる?」
私は、睨むようにこいつを見つめた。
「そんな怖い顔で睨むなよ〜。傷つくだろ?」
そうは言っても、全然傷ついているように見えない。
「別に、あんたが傷ついても私には関係ないから。」
「冷たいな〜。これでもガキの頃からの仲だろ?俺達。」
そう、憎たらしいことに、こいつが言う通り、私達、いや、私とこいつは小さい頃から一緒の学校に通っている。
いわゆる腐れ縁だ。
幼馴染とも言うが、私はこいつのことを幼馴染と認めたくないから、あえて腐れ縁と言う。
「...ただの腐れ縁ってだけでしょ。」
「そこは素直に幼馴染って言えよ〜。」
「あんたがもうちょっとマシな性格だったらそう言ってたけどね。」
「遠回しに俺の性格が悪いって言ってる?」
「当たり前でしょ。私はあんたのことが嫌いなんだから。」
「もう少しオブラートに包んでくれても良いんじゃないですか〜?」
はぁ、言い方が本当にムカつく。
さっさと教室に戻りたい。
いや、教室に戻っても味方なんて居ないけど、こいつと話してるよりかは百倍マシだ。
そう結論に至った私は、教室に踵を返した。
「あれ〜?まだ話終わってないんですけどぉ〜?」
「...あんたと話してる時間が勿体無いから、私はもう帰る。」
「そっかそっか〜。つまり、逃げるんだな?」
「...別に、そういうんじゃないから。」
「その行動は俺から逃げようとしているようにしか見えないけど?それとも、お前の秘密をマドンナさんに話してもいいってこと?」
顔から血の気が引いていくのが感じられた。
「は?...今、なんて言った...?」
「だから、お前の秘密をマドンナさんに話しても良いのかって聞いてんだけど?」
こいつの話なんて、正直...聞きたくない。
こいつの話を聞いて良かったなんて思ったことないし、過去に聞いたこいつの話は、どれも耳を塞ぎたくなるような内容ばかりだった。
でも、あれは...知られたくない...。
特にオリビアには...。
「.........要件は何?わざわざ呼んだんだから、それ相応の要件があるんでしょ。」
「素直じゃないな〜。やっぱマドンナさんにはあれを知られたくないんだな〜。」
こいつ...すぐに調子に乗って...だからこいつの話を聞きたくないんだ...。
「...うるさいからさっさと話して。」
「つまんねーの。ま、いいや。俺がお前を呼んだ理由は―――」




