学園の事件
私がリアム先生を見て固まっていると、リアム先生が口を開いた。
「ミラ、大丈夫か?ローズが何度声をかけても反応がないから、心配したぞ?」
「へ?」
てっきり怒られると思っていたから、予想外の言葉が飛んできて困惑して、間抜けな声を出してしまった...。
「体調が悪かったら、保健室に行っても良いんだぞ?」
「え、あ、えっと、体調が悪いわけではないので、大丈夫です。」
「そうか?行方不明事件もあるんだし、気を付けるんだぞ。」
「あ、はい...。ありがとうございます...。」
そこまで言って、私はようやく席に着いた。
リアム先生は、私が座るのを確認すると、また話し始めた。
「それで、行方不明事件のことなんだが、今日もまた被害者が増えてしまった。」
教室が一瞬でざわめきに包まれた。
「私達も今まで以上に気をつけているんだが、犯人もわからなくて被害者が増える一方でな...。」
今度は教室が静寂に包まれた。
「とにかく、一人でいることがないように、常に誰かと一緒に行動して過ごすんだ。」
クラスメイトの何人かが頷いていた。
「それと、もう1つ連絡があってな。」
今朝と同じように、全員の頭に?マークが浮かんだ。
勿論、私とオリビアにもだ。
「過去に学園内が壊れたことがあっただろう?それがまた起こってしまってな...。」
その瞬間、クラスメイトたちの表情が輝いた。
「学園は何度も壊して良いものではないから、魔法の扱いには気を付けるように。」
すると、一人の生徒が手を挙げた。
「先生、質問良いですか?」
「ん?ああ、もちろんだ。どうした?」
「壊れたところってどこですか?危険かもしれないので、近づかないようにしておこうと思って...。」
「壊れたのは確か、Ⅰ階の廊下の壁だったと思うぞ。それにしても、良い心がけだな。これからも続けるように。」
「ありがとうございます。」
その会話を聞いていた大半のクラスメイトは、その生徒に向かって、こっそり手を合わせた。
それを見たその生徒は、クラスメイト全員に向かって、こっそり親指を立てた。
そして、最後は全員で、天に向かって手を合わせていた。
それは、何も事情を知らない人が見たら、驚いてそのまま逃げ出すであろう奇妙な光景だった。
「それじゃあ、各自昼食を取ってくれ。」
そう言うと、先生は足早に去っていった。
その直後、教室は一気に騒がしくなった。
「おい、"微笑みの女神"が来るんじゃないか!?」
「絶対行く!」
「やっぱ一度は見てみたいよなぁ。」
そして、何人かの生徒は既に教室を飛び出していた。
その様子を、私とオリビアは苦笑いしながら、見ていた。
「...今日は外で食べよっか...。」
「...ええ、そうね...。」
そう言って、私とオリビアも教室を出た。




