私の馬鹿さ
私が呪文を唱えると、私の足元に光が宿った。
しかし、またすぐに弱まってしまった。
「私の体に毒や病気があるわけじゃないなら、何が原因なの...?」
「他に考えられる原因は...イメージがしっかりできていない、とかかしら?」
「どういうこと?」
「例えば、治したいっていう想いだけで魔法を使おうとすると、魔法の方向性がブレてしまうのよ。だから、患部の状態やどういう状態に治したいのか、を正確にイメージしないといけないのよ。」
「なるほど...。じゃあ、次はイメージをしっかり持って使ってみるね。」
「ええ。頑張って。」
「ありがと。...รักษา」
私が呪文を唱えると、私の足元に光が宿った。
すると、その光は広がっていき、私の体を包みこんだ。
少しすると、光が収まっていき、やがて粒子になって消えた。
「ねえ、これってもしかして、成功...?」
「ええ!成功よ!」
オリビアが笑顔で喜んでくれた。
「オリビア、ほんとにありがと!オリビアのお陰で成功できた!」
「無事に成功できて良かったわ。この方法は他の魔法でも応用できるから、これからも忘れずにしてね。」
「うん、わかった。」
すると、自由時間終了間際を知らせるハープの音が学園中に響き渡った。
「そろそろ自由時間が終わる頃ね。」
「丁度いいし、今日はもう帰ろっか。」
「そうね。」
私は、オリビアの手を取って、呪文を唱え始めた。
「เทเลพอร์ต」
すると、私達は教室内の自分たちの席の近くに立っていた。
「さっきオリビアに教わった通り、自分が行きたい場所をイメージしたら、上手く瞬間移動できたよ。」
「早速実践してて偉いわね。」
「まあ、癖にしないとだから、覚えてるうちにどんどんやらないと。」
「そうね。」
そこまで会話して、私は、クラスメイトの今まで以上に強い殺気がこもった異常な視線を感じた。
私は、意味がわからなくて、オリビアの全身を眺めた。
そして、気付いた。
オリビアと手を繋いだまま会話していたことに。
まずい。
やらかした。
早く離さないとなのに、離したら離したで別の殺気がこもった視線が来そうで離せない...!
でも、オリビアから離すのを待っていたら、それはそれで別の殺気がこもった視線が...!
...............。
え、終わってない?
大丈夫?
詰んでない?
...............。
どんな選択しても殺気がこもった視線来るじゃん...。
本当に馬鹿だ。
どうしよう...。
しょうがない、これは私が馬鹿すぎた。
クラスメイトに気づかれないように静かに離すしか...。
そこまで考えて気付いた。
いつの間にか手が離れていることに。
...............?
手が離れている...てがはなれている...テガハナレテイル......手離れてるじゃん!
「...ア!ソフィア!」
オリビアに強く呼ばれて、現実に引き戻された。
「どうしたの、オリビア?」
「どうしたも何も、もう自由時間終わってるわよ!」
それがどうしたの?と聞こうとして気付いた。
自由時間が終わった、つまり、先生が来ているということ。
それなのに、私がまだ立ったままだということに...。
「あ。」




