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タマキシノビ絵巻  作者: 宅間晋作
シノビ修行編
3/5

タマキ九歳初任務

「タマキ。 今日からあなたを新人の髑髏のシノビとして認め、潜入捜査をお願いするわ」


 九歳になったタマキはある日、イーニに呼び出されて髑髏のお面を手渡された。


「……でもイーニ。 私はまだ魔法も使えないしソウルスキルだって発動してる実感がない。 ましてや潜入捜査なんて私に出来るの?」


 タマキはお面を受け取り、大切そうにお面を懐へ仕舞いながら不安な声をあげる。

 まだ先輩であるシノビ達と比べたらタマキなど子猫のようなもので他のシノビは龍のように強いのだ。


「大丈夫。 そんなあなただから出来る事があるのわざと奴隷商人に捕まり中から子供達を助けてあげなさい」


「……それが私の初任務?」


「そうよ。 今からタマキは奴隷商人にわざと捕まって内側から子供達を逃す係出来る?」


「分かりました。 やります!」


 タマキはイーニの瞳を見つめて頷いた。


「場所は奴隷商会付近の街道。 行きましょう」


「はい!」


 こうしてタマキの初任務が始まった。



「タマキ。 アレが今回の標的よ。 私は今回はあなたを手伝わない。 他にやることがあるから」


「はい」


 タマキは、森に辿りつくとイーニからスマホの情報を見せられて頭に入れる。

 そして実際に視察し、十名の盗賊達がいる事を確認した。


「それじゃあねタマキ」


「はい。 この任務完遂してみせます!」


 タマキは頷き、イーニはタマキに軽く手を振って森を去った。


「あれか」


 タマキは森の茂みから改めて、いかにも悪そうな顔をしてる盗賊達を見つめた。

 タマキは既にナナシの国で服を着替えてボロボロの村人の服を着ていかにも村を襲われ、孤独になった孤児の雰囲気を出していた。


「これで私は……シノビ」


 タマキは震える手を握り震える声でため息を吐く。


「……よし」


 タマキは決意を固めて茂みから出た。


「うえーんお母さーん」


 嘘泣きで、弱者の子供のふりをする。

 幸い奴隷時代の経験で弱者のふりをするのは得意だ。


「ん? ガキだぜ。 見てくれがいい。 売れば金になる」


「少し分からせてやろうぜ? どうやら魔力を持ってる」


「へへいいねぇ! 見てくれ良くて魔力持ちなら高く売れるぜ!!」


 男達はタマキの演技にすっかり騙されて、タマキの目の前に現れた。


「なぁ嬢ちゃん。 どうしたんだい?」


「ひっ!? こ、怖いよう!」


 タマキは、スミレとの鬼ごっこを思い出し恐怖心を底に沈めて無力な子供を演じた。

 すると盗賊は加虐な笑みを浮かべタマキを見下ろし舌なめずりする。


「ふっ! オラァ!」


「がはぁ!?」


 男はタマキが無力な子供と分かると暴力に訴えて、タマキの腹を蹴った。

 タマキはうまくダメージをいなしたものの、そのまま意識を失った。


「ん?」


 タマキは盗賊に、鎖でぐるぐる巻きにされて担ぎ上げられている事を悟った。

 そして半目になり、聞き耳を立て情報を集める。


「なぁこのガキ八歳くらいか? 少し匂いが良過ぎないか? 石鹸の匂いがする」


「どこかの貴族だろ。 いい貴族に売れるさ。 目玉商品になるかもしれねぇ」


 下衆な会話を聞きながら、タマキはひたすら情報を集める。


「なぁこの板なんだと思う? 全くなんも変化が起きねぇんだよ。 なんかの魔道具か?」


「知るか。 それも売ればいいさ」


「でも貴重な資料かもしれないんだけどさ。 全く暗号が分からねぇんだよ。 複雑な魔術暗号でさ」


 魔術師の男がスマホを見ながらため息を吐く。 どうやら魔法の術式がわからず混乱しているようだった。


「そんなの知るかよ。 ほっとけよ売れば一緒だ」


「ダメですよ親分。 こういうのはちゃんと解析して売らないと金になりません」


「チッ、ウルセェな目覚めたらこのガキに聞けばいいだろう?」


「それもそうですね」


 どうやら盗賊の親分の話を聞いて、スマホを分析するのを辞めたらしい。 タマキは盗賊達のたわいのない会話を聞きながらずっと背負われ続けた。


______________________________


「作戦成功」


「……イーニ意地悪だね」


「そうかしら?」


「そうですよイーニ。 新人研修いつもひどいです」


 一方その頃、イーニは遠くでキツネの仮面を被りながら森の木の上で背負われるタマキを観察していた。

 実はイーニはタマキと離れた後、キツネの仮面を被り自身の気配を曖昧にし遠くから観察をしていた。

 そして同じくそばには、キツネの仮面を被ったエールニとシャヤがいた。


「……あいつタマキを蹴ってたね。 殺す」


 タマキは、仮面越しでも分かる殺気の魔力を溢れ出していた。 相当怒っているようだ。


「シャヤ殺気を抑えて気付かれるわ」


「……ん。 ごめんなさいイーニ」


 イーニが嗜めると、シャヤの耳と尻尾が垂れた。 自身が感情的になっている事に気づいたらしい。


「怒るのも分かるけど子供救出が優先よ。 相手の最高戦力にはあなたを当てるから」


「ん。 分かった」


「あなたのスキル『護衛官』身体能力向上と五感向上は戦闘や格上相手だと有利ですからね」


 イーニがシャヤに指示を飛ばし、エールニが補足して微笑む。


「やりすぎないで下さいねシャヤあなたいつも心臓を貫くのでポーションをすぐ使ってしまいますから」


 そう言ってエールニがため息を吐く。


「……でもどうせ殺しても一日一回は復活出来るし、二四時間立てばもう一回殺せるから拷問たくさん出来るし情報もたくさんだから良くない?」


「よくないわシャヤ。 相手の精神耐性に沿って拷問や戦闘能力の格差は見せつけてやらないと」


 そう言ってイーニはシャヤの肩に手を置いた。


「さぁ。 見守りましょうタマキの奮戦を」


 そう言ってイーニはタマキの様子を監視し続けた。



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