砂嵐の戦場へようこそ
「草原にバリケードを! 衛兵前へ」
マナティオンが、テントとバリケードを張り指示を飛ばす。
「あぁ。 分かった衛兵前へ」
それに合わせてメルクニも手を振り、部下達に指示し草原のへこみ部分に二.三人を押し込み銃や剣などの武器を持たせて待機させる。
「……戦争か」
「……戦争だね」
タマキも刀を鞘ごと地面に突き刺して地面に座り敵を睨む。
それ合わせてティルナも、目線を平地を見つめて茶髪の髪が靡いた。
「……しかし早いね準備」
「まぁ。 市街地で激戦が起きて市民が死ぬよりもこうやって平地で待機の方がいいんでしょう」
「……でも相手一万だよ? ティルナ」
「そうね」
タマキが呟くと冷や汗を掻いてティルナは頷く。 敵は一万でこちらは半分の五千。
「……戦力が半分なのは街に他の勢力が来ないようにする為の布石です。 これ以上戦力をこの無法地帯近くの平原に裂くわけには行きません」
マナティオンは、白いパラソルを指しながらタマキとティルナの背後に立ち冷や汗を掻く。
「残念ながら私戦う力はありません。 街の領主として頭脳全振りなので」
「……それ今言うことですか? マナティオン様」
マナティオンの苦笑いに、メルクニがふっと笑い腕まくりをする。
「まぁ。 隣国のオウルド錬金国やもしかしたら傭兵国家が睨みを効かせてくれればなんとかなるんですけどねぇ」
その二人の会話にバトルアックスを担いで、この前出会ったシスターがやって来た。
「……あ、あなたは密偵の先輩!」
タマキは、驚いた。 何せ自身に密偵としての目線と観察を教えてくれたあのシスターが戦力として派遣されていたのだから。
「こんにちはタマキちゃん。 名前は密偵業だから言えないけど『シスター』と呼んで。 名前は捨てた身だからでもよろしくね」
そう言ってシスターは片目を瞑り、タマキに向けてウィンクした。
「よ、よろしくお願いします!」
タマキは先輩の姿を見て、驚きながらも頭を下げて背筋を伸ばした。
「さぁ開戦と行こうじゃないか」
メルクニがコキリと拳を鳴らして、いる向こうから百頭の馬に乗る法衣を来た人物と銀鎧を来た集団が見えて侵攻して来たのだと悟った。
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「ふははっ! 見えて来たぞ! バリエンツの軟弱な衛兵どもめ」
「早く蹂躙したいですな! 司教殿!」
司教が馬の腹を蹴りながら加速し、突撃する。 馬は既に疲れ果ててあまりもう加速は出来ず小走りが軽い駆け足のスピードしか出せないが久しぶりの国の侵攻故に司教はそれに気づかなかった。
「開戦の狼煙は私がやる! バワフレイム! さぁここを焼け野原にしてやろうではないか」
そう言って司教は、火炎バスケットボール程の大きな炎を手から放ち草原を焼いた。
「……おい。 いきなり放つのは悪手ではないのか? 司教殿?」
すると隣でタバコに火をつけながら、金髪を靡かせて赤い瞳で睨みつけてくる女性アシュリット・ヴァレンティアがため息を吐いた。
「ネクストチルドレンの分際で話をするな! 指揮権は私にある! お前は駒だろうがぁ」
「……へいへい」
アシュリットは司教の怒鳴り声を人差し指で耳栓しながら頷く。
レラルド枢機卿から司教が突っ走らないように監視の為に部隊に張り付いたが、裏では使えなくなったら始末する任務についているが、目の前の司教はそんな事ににも気づかずに百名を連れてた馬を走らせる。
二日間全力で走り馬はへとへとなのだが司教は気にせずに手柄を取ることしか考えていない。
「早く! 早く進むのだ我々が……なんだあれは!?」
司教が気がつくと目の前には砂嵐が迫っており、自身の方へ向かって来ていた。
人が観察すれば、魔法で作られた砂嵐と築くはずだが司教は気づけなかった。
「そ、そんな! 私がこんなところでぇぇぇぇ!!」
「司教! しきょぐぁぁぁぁぁ!?」
そんな断末魔を上げながら、騎士と司教は、砂嵐によりひき肉になった。
「くっ」
アシュリットは、全身を魔力で覆い無理やり砂嵐を突破し、加えて魔力弾をピストルから放ち牽制した。
「おいおい嘘だろ? さっきまで平原だったジャン」
頬が引き攣る。 おそらく自身が見ていたものが蜃気楼であると察した。 銃を構える。
「おや? 君で三千五百人目だが釣れたようだね。 ネクストチルドレン」
瞬きをすると灰色の髪に黄金の瞳。 そしてバーテンダーの服を着た男装麗人が目の前にいた。
「生憎だけど君たちに振る舞うカクテルも、サービスもない。 無論。 姫の紹介も割引もチケットも出ない……言いたい事はわかるね? 迷惑客」
「……まじか」
アシュリット・ヴァレンティアは、罠に嵌った事を理解しながら強敵へと突っ込んだ。




