25枚目
約1ヶ月ぶりの更新です…!遅くなってすみません 2019.10.6
「あんた名前は? あたしはシャルムって言うんだ」
「あ……アイライト……です」
名乗ったババアの問いに、乾いた口で俺は答えた。ババア相手でも目を合わせることができず、冷たいホームの床を見る。
「いい名前じゃないか。立ち話もなんだし、家に帰るよ。こんな暗くて寒いところに長居したくはないからね」
「うん……」
その時、俺の瞳の奥に何か暖かいものが宿る。涙が溢れそうになり、今までになかった感情が押し寄せてくる。
シャルムは家に着くまでの間、何も言わずに歩いていた。俺に気遣ってくれたのかもしれない。シャルムが持つランタンを見つめながら、そんな都合のいいことを考えていた。
「さぁ着いたよ。ここがあたしの家さ」
着いた先はもちろんシャルムの自宅だ。木造の柔らかい雰囲気の白っぽい家で、玄関に入ると太ったペルシャ猫が俺を出迎える。薄い黄色の毛に茶色の瞳をしていて、生意気そうな猫だった。
「あれは……」
「あの子はペルシャ猫のペルーだよ。さぁお上がり、ゆっくり休みな」
「お、邪魔します」
ペルーを横目で見ると、奴も俺を睨み付けていた。猫なのに見られただけで鳥肌が立つ。
「……あいつ、どっちなんすか」
「メスだね。私に似て、肝がすわってる婆さんだよ」
「そう、ですか……」
トラウマのせいで猫にまで怯える男がどこにいるだろうか。いや、俺しかいない。病気とすら思えてきた。
妙な繋がりで知り合った、二人と一匹の生活が始まった。




