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リンは私室にいた。一人だった。また夢を見ていると気付いた。部屋の扉が開き、リアルが現れた。
「今日は姿を変えていないのですね」
リンはリアルに軽口を言った。リアルは笑んだ。
「嫌なんでしょ?」
「私を試さないで下さい」
リンはリアルの返答に韜晦して答えた。リアルはリンの右側に座った。
「久しぶりね。リアから惚気を聞いたわ」
「妬かせましたか?」
「まあね。でも何とかリアと信頼の芽を育てるつもりよ」
ドアが開き、リアが部屋の入口に佇んだ。
「リン、今はリアルの時間、ですか?」
リンはふと今は六月だと思い出した。リアルはリアに言った。
「ここは夢なんだし、同席するのはどうかしら?」
リアは肩をすくめた。
「はい。リンが三人でいることに慣れて、苦しさから逃れられるなら、僕も夢だと思って試してみます」
リアはリンの左側に座った。
「リア、無理はしていませんか?」
リンはリアを気遣った。
「はい。今の所は大丈夫です」
「優しいのね、リン?」
リアルは軽口を叩いた。リンは軽口を返した。
「気になりますか、リアル?」
「そうね。でも夢だから許すわ」
リンはふっと笑った。それを見て、リアは俯いた。リンはリアの陰りを目にとめた。
「どうしましたか、リア?」
「すみません、リン。僕にはリンとリアルの空気がまだ慣れません。夢だから練習だと思って我慢します」
リンはリアを抱きしめたくなった。しかし、リアルの居る所でリアに触れる訳にはいかなかった。リアルは若干眉を寄せた。
「今日は挨拶ということにしておくわね。リンが困っているから」
リアは再び肩をすくめた。リンは上手い対応ができなかったが、それでいい、と現状を肯定した。リンは目が覚めた。
気付くと、リアが隣で眠っていた。リンがリアの髪を撫でると、リアは目が覚めた。リアは寂しそうな複雑な顔をしていた。
「リン、今日は僕が不思議な夢を見ました。リンの部屋でリアルと三人でいる夢です。よく覚えていませんが、練習だと思って、三人で顔を合わせていました。僕はまだ苦手意識が強いみたいです」
リンはリアを抱きしめた。
「私もです、リア」
リンはリアの冷えた心を温めた。
「私はまだ三人で過ごすことに慣れていません。無理はしなくて良いでしょう。また私は夢を見て、リアを夢に誘うかも知れませんが、そんなに急がなくて良いのです」
「そうですね」
リアは小さく肯った。リンは長丁場になることを覚悟した。




