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今夜もリアルは居間で一人でコーヒーを飲んでいた。リアはココアを用意し、向かいの長椅子に座った。
「いつもこの時間にいて、何をしているのですか?」
リアは何気なく不思議に思っていることを尋ねた。
「ここは私の家よ」
リアルは強気に答えた。しかし言葉はリアを排除する色は無かった。リアは遠慮しながら、リアルのさっぱりした性格を心の中で少し受け入れた。
「そう、ですね」
リアルはリアの心を知ってか知らずか、言葉を続けた。
「習慣になっているのよね。この家でコーヒーを飲んで寛ぐことを。リアの時間を邪魔する気はないわ」
「そうですね」
リアはココアを喉に流した。リアルは話を変えた。
「アイルラザンに行ったんでしょ? どんな様子だったの?」
リアルは今年のチェスの開催国の王都について、リアに聞いた。リアは旅人として答えた。
「賑わっていました。船は立派で、町では若い女王ストロベリーフィールド王を応援する歌が口ずさまれていました。白の国に比べて強い国ではないので、町の人たちはチェスの参加を決めた女王を盛り立てようと団結しているようでした。家族的な繋がりのある港町のようです」
「そこでの仕事は順調そうね」
リアルはリアの仕事を推察して言った。リアルはコーヒーを一口飲んだ。リアもココアで喉を潤した。
「ここではない場所でファクトさんと通り過ぎました」
リアはリアルが自分の仕事に踏み込んだので、そっと自分も踏み込んだ。リアルはさっぱりと答えた。
「ああ、兄ね。今、異界の私の家に来ているの。ストロベリーフィールド王の国がチェスをするから、私の所に情報を聞きに来たのよね」
ファクトは、異界を旅する時間に嫌われし者たちに有名な旅人だった。リアルと同じピンク色の髪の鏡の国の者で、気さくで親切にその世界の者たちと関わっていた。塔の町にも出入りしている人だった。
「帽子屋が妬くのは面倒臭いから、話さないでおいてね」
リアルは投げやりに言葉を放った。リアは降って沸いた秘密に戸惑ったが、約束を請け負った。
「そうですか」
リアはココアを飲み干すと、リンの私室へ戻った。




