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The Chess 番外編 魔術師と旅人  作者: 今日のジャム
六月 夢の逢瀬と遼遠の睦み
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69話の次の話です。

リンはにこにこしていた。リアとの夢の中である。リアはリンの私室の寝台に座っていた。リアはリンが私室に現れると、顔を綻ばせた。リンは明るく問うた。


「お師匠、次の三日後は城に帰られそうですか?」


リアは笑顔で答えた。


「はい、劇作家のピアさんの戯曲を明日受け取ったら、一ヶ月間書庫や図書館の蔵書から集めて複製したデータと一緒に塔の町へ運びます。それが終わったら、聖杯城に帰城できます」


リンは破顔した。


「待っていますよ、リア」


「はい、僕もです。やっとですね。嬉しいです」


「リアが帰ってきたら、一緒に城の雨上がりの部屋や夕暮れの部屋へ行きましょう」


「楽しみですね」


リアは心を弾ませた。


「今日はどちらにいたのですか?」


「赤バラの王の王都です。王都には、大きな図書館があり、本のデータを集めていました」


赤バラと言えば、来年のチェスの開催国だった。西大陸でも最も大きな国で、王都も広く、西大陸以外の旅人も集まる国際都市だった。リンはリアの旅人らしさを感じた。


「城に帰ってきたら、土産話を聞かせて下さい、リア」


「はい、リン。お土産も持って帰ります」


「楽しみにしています」


リンはにこやかに笑った。

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