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リアとリンの夢が前にありますが、先にリンとリアルの話を置きます。
リアルの休日だった。明日はリアが城へ帰ってくる日だった。六月も半ばになり、いよいよ今年の『チェス』のプレイヤーが決まっていき、それに対応した読者も確定していく頃だった。リアルはこれから『The Chess』の運営が本格的になる。繁忙期が始まる前の休日だった。
リアルは朝食後、居間でコーヒーを飲んで寛いでいた。一緒にいたリンがコーヒーのカップを口へ傾ける。リンはいつもの穏やかな声でリアルに言った。
「相談があります、リアル」
リアルは答えた。
「リアのことね」
リンは滑らかに話し始めた。
「三人の過ごし方を変えようと考えています。まず、六月の残りの日は今まで通り、リアが城に居れば、リアに私の時間を優先するのは変わりません。
七月からですが、リアが城にいる時は、私は週の前半の五日間をリアに優先します。週末の二日間はリアルと過ごします。金曜日の夜はリアルと共にします。
リアが城にいる日は、今まで通り、リアルは異界にいたり、私達と違う場所で城にいたりして下さい。リアは週末、厨房と浴室をリアの部屋の隣に移して、私とリアルのだんらんとは別の場所で生活を切り分けます。
七月から『チェス』の準備が始まります。九月の『チェス』が終わるまで、私はリアルの運営が遮られることのないように勘案します。
私はリアルが帰宅したら、リアルの部屋で話を聞きます。週の前半の四日間は、眠る時はリアの元へ戻ります。
平日の日中にリアルが急用があったら、噴水へ来て下さい。私は話を聞きに参ります。
次にリアが旅に出ている時の話をします。今は夜は三日に一夜リアと共にしていましたが、変えようと思います。週の前半の三日の夜をリアと過ごします。日中は、私はリアルとリアのどちらに時間を使っても良いことにします。もし朝にリアがいたら、リアと朝食を過ごします。
週の後半四日をリアルとの時間にします。しかし、夜遅くにリアが挨拶を送ってきたら、私は自分の部屋へ答えに行きます。
リアの出立や帰城の日、記念日などは、臨機応変に決めましょう。
私はリアが帰城したらこの話を相談しますが、リアルはどう思いますか?」
リアルは、リンの提案を熟考し、リアルの週末はリアルの時間になることで良しとした。
「帽子屋がそれでいいと言うなら、私は良いわ。何か不都合があったら、その時に言うわ」
リンは穏やかなまま、言葉を続けた。
「リアル、私は私の部屋でリアとの逢瀬を楽しみたいのですが、私の甘えを許して下さいませんか? 床はいつも魔術できれいにしておきます」
リアルはふうーとため息を吐いて諦めた。
「そうね、リンの望みなら仕方がないわね。あと何かある?」
リンは眼を細めて微笑んだ。
「いいえ、これで何かあったら、また話し合いましょう」
リアルは仕方がない、という顔で微笑み返した。




