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「お師匠、魔術の跡を触れると私に通じている感覚があまり分かっていないでしょう?」
リンは夢の中の私室で、隣に座るリアににこやかに問うた。リアは思わぬ質問に困ったように、素直に答えた。
「はい。跡に触れても反応はないので、よく分かりませんでした。もしかして迷惑なことをしましたか?」
リンは慈しむように眼を細めた。
「リアの愛情は私に通じていますよ。ここで、跡に愛情を注いでみて下さい。私がどう受け止めているか見てみて下さい」
リアは顔をそっと赤らめた。
「それは……、少し恥ずかしいです」
リンは表情を和らげた。
「意地悪なことを言いますが、リアがどうやって私を愛していたか見てみたいのです」
「そう、ですか……」
リアは恥ずかしがりながら、了承の合図にこくりと頷き、リンに左手首を差し出した。リンはリアの手首を取り、優しく魔術の跡を印した。リアは手首を唇にあて、軽く触れてから、そっと舐めた。リンは頭に酩酊感がやってきた。白い頬が赤く染まり、切れ長の目が潤んだ。息が熱かった。リアはリンの変化に自分が何をやっているか理解した。嬉しくなりながら戸惑った。リアは舌を止めた。
「すみません、リン。迷惑でしたか?」
「いいえ、私はいつも続きをしたいと思って困っていました。今、続きをしてもいいでしょうか?」
リアは顔を紅潮させながら肯った。
「はい」
リンは口元を綻ばせると、リアを抱きしめて、唇に『お返し』をした。リンは送られた愛情に丁寧に返事をするように、長く唇を重ね合わせた。時間が溶けていった。リンは口を離すと、リアの頭をゆるりと撫でた。
「リア、ありがとうございます。私はいつでもリアの愛情の贈り物を嬉しく思っています」
リアは手首の跡を優しく撫でながら言った。
「僕は恥ずかしいですが、リンを恋しくなって止まらなくなる時があります。すみませんが受け止めてくれていると分かると嬉しいです。リンにはリアルとの生活がありますが、少しだけ時間を分けて欲しいです。旅をしていると、リンと城にいて触れ合う時間が少なくなります。僕には僕らしい愛情の注ぎ方を認めて欲しいです」
リンは微笑んだ。
「はい、私はリアの心を受け入れます。リアと距離が離れている時は、我慢せずにお互いの思慕を交わしあいましょう。それが結婚です」
リアは手首に軽く唇を触れた。リンは温かく受け取った。




