48
リアルが目を覚ました。
「起きましたか、リアル」
「どうしたの、リン?」
リアルはリンが高揚し、それを抑制している様子を訝しんだ。リンはリアルに素直に夢を見たことを伝えた。
「昨夜と今日で、私は夢でリアに会いました。クロスのような媒介が無くても夢で繋がることができるようです。リアル、大切な時間が短くなりますが、リアが旅の間、三日に一夜、時間をリアに分けて頂けませんか? 私は部屋で一人になって、リアを訪いに行きます」
リアルはこのようにして、少しづつリアに時間を分けていくことを思った。リアルは閨にリアが現れるのは気分が良くなかった。自分の私室の中は、リンを独占したいと思っていた。リアルはリンの希望通りにリンと距離を置くことを選んだ。
「……分かった。仕方ない、わね。でもリン、私から遠くに行かないでね」
リアルは床でポツリと小さく本音を漏らした。リンは細い目に愁いを含ませた。
「時間を譲らせて申し訳ありません、リアル。無理をさせていますか?」
リアルは気丈に振る舞った。
「そうね。久しぶりに独占できるとちょっと期待していたかしら。仕方がないわね。一緒に寝て違う夢を見るよりいいわ。これからは時間を譲り合うのはお互い様になるわよね。でも旅の間の夜を譲るのはこれ以上は嫌よ」
リンは優しい声で答えた。
「分かりました。さあ、私はこれから朝食を作りましょう」




