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今日もリアは城の居間の長椅子に一人で座っていた。リンは夢だと分かると、にこにこしてリアの隣へ座った。リアはリンに気付くと顔色が晴れた。
リンは昨日の夢と同じようにカフェラテのグラスを現し、リアに渡した。リアはグラスを口に傾けた。
「そろそろ西大陸では夏らしい風が吹いています。リンの淹れてくれたカフェラテは冷たくて喉に丁度良いです」
リアはにこりとしてグラスをテーブルに置いた。リンはリアの空いた片手に手を重ねた。温かさが伝わる。
「西大陸にいた時は、私はお師匠に探されていたでしょう。今は反対に、私がお師匠の元に訪ねていますね」
リンは再び手に力を入れたかったが、やはり手は動かなかった。リアは頬を染め俯いた。
「リンに会えると、妻としてリンと触れ合いたくなります。リンはきっと、リアルと床を共にしていて、僕の夢は起きた時に困っているのだと思いますが、今この時間は、ずるいかも知れませんが、僕が独占したいです」
そう言うと、リアは重ねられた手を振りほどき、逆に自分の手をリンの手に重ね、手を強く握った。リンはリアは自由が利くことを意外に思いながら、リアの気持ちを受け止めた。
「私は夢でリアを抱きしめたいのですが、体が動かないのです」
リンの素直な告白に、リアは寂しげな顔をした。
「たぶん、リンはリアルと床を共にしている時間なので、リアルを大切にしているからだと思います。でも僕は、欲を出したくなります。僕からリンを抱きしめてもいいですか?」
リンはリアの答えを聞き、自分の心に気が付いた。リンは熱望に心を譲った。
「私から抱きしめられなくてお詫びします。私はリアと愛することを求めています。リアから抱きしめて頂けますか」
「ありがとう、リン」
リアは寂しそうな顔が和らぎ顔が晴れると、リンを背中から抱きしめた。リンは求めていた愛情を感じて安らぎ、多幸感に溢れた。リンは夢の中の逢瀬を自分に許した。リアは言葉をこぼした。熱を帯びていた。
「ずっとこうしていたいですね、リン」
「夢が覚めるまで、このままでいましょう」
温かさは、しばらく続いた。リンは時間の経過が分からなかった。リンは身体が温かくなり、もっと愛情表現の続きを望んだ。しかしリアはそれ以上動かなかった。リンは何となく、リアが動けないのも、リンの無意識の抑制心が働いているからかと察した。リアはそれでも満足したように、リンの葛藤に冗談を言った。
「僕は時間に嫌われし者ですが、夢魔ではありません」
リアの言葉はリンのまねだった。リンが西大陸にいた昔、リンが言った言葉だった。リンは自分の気持ちがリアの愛情を全ては受け取れない状態に、苦笑した。リアはリンの耳元で甘くささやいた。
「カフェラテごちそうさまです、リン」
リンは夢の終わりに気付いた。
「また会いましょう、リア」
リンはリアルの床で目が覚めた。




