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朝の食事の後、リアとリンは食堂でリンの淹れた白茶を飲みながらのんびりしていた。リンは少年のままだった。リアは、まだリンが恋心を知らない頃の姿だな、と思った。しかし目の前の少年はリアを妻として見ている。リアは少し恥ずかしく、新鮮だった。
「プロミーさんに私の代わりに魔剣を預けて下さってありがとうございます、リア」
「リンならそうするかな、と思っていました。本当はリンの望みはプロミーさんと同行することだと気付いていましたが、騎士のロッドさんがいたので、僕がいない方がいいと判断しました。ジャスミンさんのお茶会では、プロミーさんが自分から参加するとは思っていなかったので、慌てて僕も参加しました。お茶会では、何かあれば、僕が魔術で援護しなければならないと思っていました。僕も赤の城まで行くのがやっとな所でした」
「私の約束を守って下さってありがとうございました、リア」
リンは子どもの声で礼を言った。リアは温かく返した。
「いえ、会う約束をしてくれて、ありがとうございます、リン」
リアとリンは笑い合った。
「リンが子どもの頃の姿なのは懐かしいですね」
リアは自分でも気付かない熱を浮かべながら言った。
「僕が恋心に気付いたのは、青い花の町を出る時でしたが、その前からリンのことは好きだったみたいです。僕にだけ『お師匠』と呼んでくれるのは、無意識に特別感を覚えて、強い繋がりを深めていたと思います」
「リアはいつも私と同じ年齢の姿になって下さっていたでしょう。私はリアを大人と同年代と両方を思っていました」
「リンは子どもの頃から大人びていましたよね。無邪気な顔を出す時もあって、僕はいつの間にか魅了されていました」
「リアは年下の私を好いて下さったでしょう。恋を知ったばかりの私は、リアと距離を詰めることを求めました。リアは恋の仕方を知らないまま、私と旅を共にして下さいました。旅ではゆっくり情愛を温め、恋仲となって長く過ごしました」
リンは子どもの声でささやいた。
「リア、幾年もこの聖杯城で情愛を深めましょう」
リアは自分はリンの子どもの頃から好きなのだ、と心の中で認めた。リンはリアの心を知ってか、リアと出会った頃の十才に若返った。椅子から立つと、リアの元へ行き、リアの膝に乗った。リアはふと迷ったが、自分の心に素直になり、リンの白い頭を愛情深く撫でた。リアは昔は見慣れたはずのリンの子ども姿が、今は自分の伴侶となっていることに不思議な気持ちになった。昔は子どものリンとは大人と子どもではなく対等に接してきたので、リンに愛情を向けて触れることはなかった。今は子どものリンが愛おしい。
「リア、子どもの私も好きでしょう?」
リアは素直に答えた。
「はい、そうですね。僕はリンの子どもの頃から好きだったみたいです」
リンは小さな顔に笑顔を浮かべた。
「子どもの頃の私を知って、愛して下さっているのはリアだけです。たまには小さくなって、リアの膝に乗って抱かれましょう」
リアはリンの用意した懐かしい時間を、夢うつつに愛でた。




