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「あれから、ダンナとはどう?」
秋藤和はいつもの居酒屋の個室の掘りごたつ席で、向かいに座ってビールを干すリアルに言葉をかけた。今夜も和はリアルに理事長室で声をかけて、飲み会に誘っていた。テーブルには数種類の焼き鳥が味のある厚い皿に並び、つくねが丸皿に花のように盛られ、食欲をそそる色合いの鶏や牛のたたきが置いてあった。
「そうね。ぼちぼちって所かしら。心配かけたわね。今はリアとリンの時間を分け合えているわ。でも、リアのスケジュールを優先している感じ。私はいつでもリンに会える距離にいるから、長く会えていなかったリアを帽子屋が大切にするのを見守っているわ。でも、リンの時間を私も欲しいと少し思ってしまうわね。足りないと欲しがるのはあんまり良くないわね」
「いいえ、リアルさん、それは普通の愛情よ」
和はきっぱりとリアルに言った。
「普通は我慢しないものよ。リアルさんの受け止め方は、よくできた妻の所作よ。それからもう一人の伴侶の人とはどうなの?」
リアルは投げやりに答えた。
「難しいのよね。夜中に少し話したけど、すごく繊細。まあ、帽子屋が二千年間音信不通にしたのだから仕方がないけど、海溝くらい深い溝があるのよ。深すぎて、どうしようもないのよ。礼儀は守ってくれるし、気を使ってくれたりもしているのは分かるのよ。夜中に何とも言えない距離感で顔を合わせることには慣れた感じね」
「それは胃が痛くなるわね。無理しないでよ」
和は軽い口調でリアルを気遣った。
「そうね。妙な信頼感もあるのよ。それを大事にできたらいいわね。ああ、帽子屋のあほんだらっ」
リアルは口癖を口にした。




