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「今日は秋の部屋へ一緒に行きましょう」
リアは寝台で目が覚めると、リンが先に起きていて、にこにこと隣にいた。リアは寝起きの無防備な頭で、つい気になっていたことを伴侶に尋ねた。
「リンは自分を変えない人の方が好きですか?」
リンはリアの問いの意図を察し、リアの心が冷えていることに気が付いた。リンはリアを抱きしめて、静かに胸の内に寄せて温めた。リンは優しく問い返した。
「そう思いますか?」
リアは無言だった。リンは自分を否定してリアルの方が好きである、とは思っていないことを声に感じた。だが、二千年間で根付いた劣等感は心に居座り続けた。リンは穏やかに答えた。
「私が恋人に求めているのは安らぎなのでしょう。一緒にいてなぜか安心する人です。不思議ですが、一緒にいたいと思う気持ちは、宿命的で上手く説明できません。リアに見せていない私がいると思っているかも知れませんが、リアは私のことをよく知っていて、リアが見ている私の性格しか私は認識していません」
「そうですか……」
リアはリンの背に腕を回して、力を込めた。リンは愛おしさを込めて語りかけた。
「リアはリアルと顔を合わせることに頑張っていますね。でも、頑張らなくていいのですよ。私はリアが隣にいることを求めています」
リアはこういう時、「すみません」と謝るのではなく、「ありがとう」と礼を言うべきだと学んでいた。自分の嫉妬する心を否定して、リアルに遠慮する気持ちに上書きするのは、リンは愛情の否定だと言う。難しかったが、リアは嫉妬と上手く付き合いたかった。リアは小声で答えた。
「ありがとう、リン。でも、リアルと少しだけ信頼感が芽を出しています。僕はその芽の様子を見てみたいです」
リンは眉を寄せて微笑んだ。リアの一生懸命さはリンのためである。リンは少し嬉しく、少し心配した。喜びを伝えると、リアは無理をしてしまう。リンはリアの額にキスをした。
「私はリアの想いに寄り添います。ありがとう、リア」
言葉はリアの胸に届いた。




