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リアが旅の道を歩いていると、道の先に褐色肌に白いワンピースを着た美女が立っていた。突然現れた女性はピンク色の長い髪が存在感があり、リアは会ったことのない人だがすぐに誰だか分かった。会うことがあるとは思わなかったし、いつかは会うだろうとも思っていた相手だった。リアは不思議と困惑しなかった。リンと心で交わすささやかな愛情が、リンの伴侶を目にしても自然でいられた。
リアルは身に付いた強気の笑顔で、リアに声を掛けた。
「初めまして、リア。私はリアル。分かると思うけど、聖杯城の管理者よ。ちょっと時間があるかしら?」
「はい、お話は聞きます」
リアは相手が何の用事なのか分からなかったが、素直に聞き入れよう、と心に決めた。リアルは問うた。
「一つ尋ねるわ。リンのことは、伴侶になっても良い、と思っているのよね?」
リアは頷いた。その問いには敵意を感じなかったし、リアも敵意を覚えず、素直に肯った。
「リンとは長い間一緒に旅をしたので、伴侶みたいな付き合いでした」
リアルはリアの目を見て、重ねて尋ねた。
「リンが好きな人を複数持つこと、は許せるのよね?」
リアは俯きながら一言答えた。
「僕はリンと会えるだけで幸せです」
リアルは頭をかいて「じゃあ分かったわ」と言い、告げた。
「聖杯の使い方は知っているかしら?」
リアルの話の転換に、リアは意図が読めなかった。リアは緑の目で尋ねた。リアルは諭すように付け足した。
「あの城はリンの命を繋ぐものなの。私も聖杯の使い方を覚えたからできるようになったんだけど、管理者を増やすことができるのよ。聖杯で城を創成する時、城の主に強い想いのある人が作ることで強い魔力が働くものなのだけど、リア、あなたでもできるでしょ?」
リアは言われていることが頭に入らなかった。ただ、目の前の女性は、リアに好意的なことを言っていることが分かった。リアの混乱に、リアルは一言確かめるように聞いた。
「リンの伴侶になりたいんでしょ?」
リアはやっと話を飲み込んだ。リンの伴侶が、リアとリンの仲を認めるということだった。リアは疑問だらけで、リアルに尋ねた。
「どうして城の管理者を増やすことにしたのですか?」
「私も、城の台所を使う客にもやもやするのは嫌になったのよね。リンが認めている人なら私はいいわ。あなたはどう、リア?」
リアはもやもやする客と言われて苦笑しながら、リアルの提案に、リアルの苦慮とさっぱりした性格の両方を見た。リアはリアルに嫉妬の気持ちがあったからこそ、同じ立場と知って、リアルの決断に仲間意識を覚えた。リアはリンへの愛情を控えることなく、嫉妬が和らぐことを肯定した。
「僕はリンに遠慮がなくなりますが、リアルは嫉妬が深まるのではないですか?」
「リンが好きな人を大切に想っていても、私との間を損なうものじゃないわ」
リアルは強気の笑顔を見せた。
「リンはこのことを知っているのですよね?」
リアは重ねて尋ねた。
「それは、直接聞いたらいいわ」
「分かりました。では僕はこれから聖杯城へ行きます。良いのですよね?」
「私は先に待っているわ」
リアルはそう答えると、消えた。
リアはまだ意味を掴みきれずに茫然としたが、とにかく確かめるために、件の城へと空間を渡った。




