↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/20

2

客人が去った後、リアルは聖杯城の居間に姿を現した。リンは、客人が帰ってから現れるリアルの気遣いと客人に距離を置く気持ちを察した。リアルは西大陸にいた頃も、表に現れることを避け、リンのことを見守っていた。


リアルはコーヒーを淹れに台所へ行った。台所は客人が現れる前よりきれいに磨かれていた。リアルは眉を寄せ、小さくため息を吐いた。これからは、客人の香りのする日があることに慣れなければならない。台所はすっとコーヒーの香りに満ちた。


リアルはコーヒーカップを二つ居間へ持っていき、一つを伴侶に手渡した。リンは熱い飲み物をそっと喉に流した。


リアルはふと、自分がもしリンだったら、リンの肌を弱く噛んでいただろうと思った。いつものコーヒーの味は苦く、味わいがあった。リンと飲むコーヒーの味は、変わらないことをリアルは思った。


リアルは、リンと想いを交わした時にリアのことは聞いていた。そんな大切な人がいるのに、なぜ自分なのだろうと感じたくらいだった。魔術師は色を好むものかと思ったが、その割に飽き性で恋人を選んでいるわけではなさそうだった。気持ちは重く、ただ恋人を選ぶことがないのだと分かった。


西大陸にいた時は、リアとも距離が遠かったので、自分は有名な魔術師の恋人の一人ということで理解ができた。が、二千年間一緒にいると、伴侶となった。

リアとの再会は、約束していたことなので、いつか城を訪れることは予想していた。二千年の間、リアがリンを奪うとは思わなくなった。リンはリアルとの日常は大切にするし、リアとの関わりも大切にする、それだけだった。同じように大切な人の縁を大切に想う。そんなリンを愛するのが、伴侶としての付き合いに慣れたリアルだった。リンに遠慮をさせ、客人にぴりぴりするのは、リアルらしい生き方ではなかった。


リアルはコーヒーを飲み干して、言葉を口にした。


「聖杯城の管理者として、相談したいことがあるのよ」


リンはコップをテーブルに置いて、答えた。


「リアルは私の気持ちに遠慮しないでしょう。リアルが良いと思うなら、私は賛成します」


リアルは大きなため息を吐いた。


「じゃ、リアに伝えるわね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。