初めての海地平線の先に見える風景
和歌山県に海を見に来た二人。
雲一つ無い青空。日陰を作る建物も無く、真夏の刺すような日差しが容赦なく二人を襲う。
麦わら帽子と日傘を持参していたが、地面から上がってくる熱気に根負けしてしまう。
あけみ…。暑いんですけど…。
車の擬人化とはいえ、真夏の日差しと熱気にジト目になりながらあけみに愚痴を零す澪。
もう少し歩いたら海が見えるから頑張ろう…?と澪の手を引き海辺に到着する二人。
二人の眼前に広がる青い空と海。
熱くなった砂浜を忍び足で歩き波打ち際に足を浸す澪。
焼けた砂浜を歩いて熱くなった足を冷たい海水が冷ましてくれる。
山沿いの小さな町で過ごしていた澪。初めての海を見て感動する。
海ってこんなに綺麗なのね!
視線を下げれば自身の足がはっきりと見える程の透明感。
波が押し寄せるたびに一緒に流れてくる貝殻や小さな石が澪の足に当たる。
まるで生きてるみたい…。と地平線を眺め呟く澪。
暑いけど、来た甲斐あったでしょ?
はしゃぐ澪を嬉しそうに眺めるあけみ。
一度来てみたかったのよ。運転も慣れてきた頃だし、少しだけ遠出をしてみたかったのよね。と語るあけみ。
初めの頃は近所の買い物をするだけでも慌ててスローペースな運転しか出来なかったのが、いつの間にか大阪を出て和歌山まで運転が出来る様になった。
成長したじゃない、あけみ。
まあ私がキチンとフォローしてるから、アンタも成長出来てのよ。とドヤる澪。
これからもっと練習をして長距離を運転出来る様になるからね。その時は澪の故郷にドライブに行くわよ。と澪と約束をするあけみ。
いつになるか判らないけど、期待しないで待ってるわ。と笑顔で答える澪。
さっ、私の体が錆びる前に帰るわよ。と帰り支度をする澪。
私はデリケートなんだから、丁重に扱いなさい。とお姫様の様な態度に苦笑いし、判りましたよお嬢様。と答えるあけみ。
海に沈む太陽を眺め、オレンジ色に染まる銀色の車に戻る二人。




