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シンデレラの婚約破棄⭐︎  作者: 眠夢
シンデレラ

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目から水が零れる

「待って、私もいます」

 継母や姉が慌てて誤魔化そうとする。

 それを家来たちが止め、私にアラン王子がガラスの靴を履かせようとするが、継母や姉の抵抗も強くて……。

 ごたついていたから、ガラスの靴が宙に舞い、そして、パリーンという音とともに、地面に落ちた。

「ああ、これじゃあ、もう、誰のものか、わからくなってしまった」

「わかりますよ。だって、もう片方は私が持っていますから」

 そのサイズは私の足にぴったりで。

 そりゃそうだよ、だって私が、私が、私の、私の味方の、魔法使いのお婆さんからもらった大切な、大切なガラスの靴なんだから!

「あなたが、シンデレラ……」

 アラン王子は、箱を取り出し、スッと膝をついて、私の方を見つめ、箱を開けた。

 中には、今までに見たこともないような、この世界の全ての光を集めたように輝く、ダイヤモンドの指輪が入っていた。

「僕と、結婚してください」

「……はい、喜んで」

 これで、よかったんだ。

 これで。

 これで……。

 あれ。

 なんでだろう。

 目から、水が。

 目から、たくさんの水が出てくる。

 私、なんで、こんなに、嬉しいはずなのに……。

 なんで。

 こんなに。

 苦しいの……?

「アラン王子、シンデレラ姫が泣いて喜んでおられるぞ」

「ああ、僕はとっても嬉しいよ。こんなに喜んでもらえるなんて」

 違う。

 違うの。

 私は……。


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