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アイドル
家について、テレビをつける。
音楽番組では、彼が歌っている。コミケは、これの前に駆け足で来たのかな。
パックをしたまま少し乱れたウィッグの髪を櫛でといていく。
テレビには、かっこよく踊る和樹くん。
昔はあんなに近くにいたのに。
もう、こんな遠い存在になってしまった。
私も有名なレイヤーになれば、彼と、お忍びじゃない彼と話す機会もあるのかな。
というかそもそも、あれは和樹くんだったのだろうか。
帽子と髪色だけで判断していたし。
ガラスの靴の絵文字も、和風あやかしのハッシュタグも、本当に私に向けられたものなの?
実際、和風あやかしのコスプレしていた人たくさんいたし。
……そうだよね。
そんなわけ、ないよね。
よく考えたら。
もう一度、いつか、和樹に会って、和樹と話したい。
パックを取る頃には和樹の出番は終わっていて。
少しだけ泣きそうな感情を、コンビニで買ったペペロンチーノで流し込んだ。




