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望月
この世をば
我が世とぞ思ふ
望月の
欠けたることも
なしと思えば
月の光が、寝殿造の縁側に立ち、句を短冊にスラスラと書く藤原道長を照らす。
貴族にして摂政・関白の地位を手に入れ、この大和の国を支配できた。
私は今、あの満月のように欠けることのない、そんな完璧な……。
そう、思うたびに心に引っ掛かるものがある。
この京都の街に彗星の如く現れた、「かぐや姫」という美少女。
多くの者が彼女と婚約したいと、要望を聞こうときては失敗してしまった。
どれだけの富を築いても、名誉を手に入れようとも、俺には……
かぐや姫を恋想う気持ちが晴れることはなくて。




