野営の最中で
大変お待たせしました(二回目)
「———ご主人はどうしてこの仕事をしようと思ったんだ?」
アタシは焚き火を挟んで向かいのご主人にそう話しかける。
「どうして?って言われてもなー
‥‥‥少し昔話をするけどいいかな?」
「勿論」
「じゃあ遠慮なく‥‥‥」
◇
僕は昔から自堕落に生きてきたんだ。
でも生きるにはお金が必要だからね、いろんなことに手を出してたんだ。
長すぎる一生を少しでも楽しむ為にさ。
古代魔法言語が使えるのもただの暇つぶしだね。
あるとき僕は盗賊としてあるパーティに参加してたんだ。
あのチームは良かったよ。
なんせパーティメンバーの殆どが長命種だからね。
このパーティなら長く付き合える、そう思ったんだ。
その日はとても寒い雪山だった。
俗に言うホワイトアウトってやつだね。
僕たちはダンジョンを攻略して大荷物だったんだ。
「やべぇぞこの雪の量は‥‥‥」
「ちゃんと帰れるんでしょうね?」
「‥‥‥寒い」
「地図によるとこっちのはずだよ」
「だんだん山登ってる気がするぞ?」
そんなとき、最悪な出来事が起こった。
「‥‥‥なんか揺れてねぇか?」
「ちょっとこれ不味くない?」
「地図によるとここは安全区域‥‥‥」
「‥‥‥雪崩」
山頂の方を向いてみると地面そのものがこちらに向かっているかのようだった。
「拙いっ!防御魔法!」
「駄目っ!詠唱が間に合わ———」
———目が覚めると一人、雪原に立ち尽くしていた。
どうやらダンジョンの戦利品の中に使い捨ての守護の護符が入ってたらしかったよ。
僕は懸命に探し続けた。
でも幾ら探しても仲間は見つからなかった。
後に聞いた話ではその地図を作った奴は仕事中に酒を呑むようなとんでもない野郎だったんだ。
◇
「———そんな訳で僕がこの仕事に就いたんだよね。
‥‥‥ちょっと湿っぽい話になっちゃったね。
スープできたから一緒に飲もうか」
「‥‥‥そうだな」
アタシは無意識の内にご主人に近づいていた。
するとそのとき近くの茂みから音がした。
「なんだっ!?魔物か!?」
「いや、この気配は‥‥‥」
がさがさ
「「いい匂いする‥‥‥
あっ、ダージリン。久しぶり」」
そこには圧倒的な気配を纏った一体の銀髪のナニモノかがいた。
面白かったら次回も見て下さい。
そうじゃなければ他の人の作品でも見てください。
(活動報告で没バージョン置いときます)




