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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク


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ヒロ九クエスト 第6話 水上より荒れる観客席!? ― 大村、酔客バトル鎮圧ミッション ―

雲仙を後にしたヒロ九ラッピングバスは、エンジン音に若干の不安を抱えつつも順調に北上し、大村市へと到着した。


大村市――それは長崎県のほぼ中央に位置し、穏やかな大村湾に面した風光明媚な街である。

そして何より、この地には日本最古のボートレース場がある。

いわばボートレース発祥の地。

水面は安定し、選手からも「走りやすい」と評判の名コース。

長年のファンに支えられた、伝統と熱気が同居する場所だった。


「……なんかすごいとこ来ましたね」


澪が周囲を見渡す。


「歴史が違いますね」


菜々子も素直に頷く。


「でも客層、完全におっちゃんじゃない?」


沙羅が小声で言う。


実際、その通りだった。

スタンドには新聞片手の中高年男性がずらり。

独特の緊張感と、どこか昭和の空気が漂っている。


「……アウェーですね」


「大丈夫たい、任せとき」


香澄がにやりと笑う。


特設ステージ。


「みなさん、今日はよう来てくれました〜!」


香澄の熊本弁MCが炸裂する。


最初は様子見だった観客も、次第に笑い始める。


「おお、しゃべり上手か!」

「この子ええな!」


ひなたは軽快な動きで場を盛り上げ、

澪は丁寧な受け答えで空気を整え、

沙羅はなぜか“映えるポーズ”で写真を撮られまくる。


「なんで私だけ撮られてるの?」


「顔です」


「もういいよそれ!」


菜々子は裏で進行を必死に回す。


結果――


イベントはそれなりに成功。


「思ったよりウケましたね……」


「思ったよりって言うな」


だが問題は、ここからだった。


イベント終了後。


スタンドのあちこちで――


「お前のせいで外れたんだろ!」

「知らんがな!」

「席取っとったやろが!」


怒号。


ざわつく空気。


「……あれ?」


澪が顔を引きつらせる。


「なんか、いっぱい揉めてない?」


沙羅が周囲を見回す。


原因はどれもくだらない。


・予想が外れた

・席の取り合い

・なぜか責任転嫁


そして共通点は――


酒が入っている。


「これは……まずいですね」


菜々子の顔が引き締まる。


「行きましょう」


ひなたが一歩前に出る。


ヒロ九、出動。


まずは香澄。


「まぁまぁまぁ、よかじゃなかですか〜」


柔らかい熊本弁で空気をほぐす。


一瞬、間ができる。


そこにひなたが入る。


「ちょっと間、あけましょうか」


体を間に入れ、物理的に距離を取らせる。


「おっ……」


酔客たちが少し引く。


澪はそっと声をかける。


「外で少し話しませんか?」


優しく誘導。


逃げ場を作る。


沙羅はスマホを構える。


「これ、動画回ってるよ?」


一言。


「え?」


空気が変わる。


そして最後に菜々子。


「ここで問題を起こすと、退場や出禁の可能性があります」


冷静に、淡々と。


「今後、ここで観戦できなくなるかもしれません」


“損”を明確に突きつける。


沈黙。


「……すみません」


「……俺も悪かった」


一気にトーンダウン。


「はい、解散です」


沙羅がまとめる。


「まとめ方雑!」


だが効果は抜群だった。


その後も、小さな揉め事がぽつぽつ発生するが、

ヒロ九の連携で次々と鎮圧。


・香澄がなだめ

・ひなたが止め

・澪が導き

・沙羅が刺し

・菜々子が締める


完璧な流れが出来上がっていた。


気づけば、周囲の観客たちがこちらを見ている。


「なんだあの子ら……」

「すげえな」

「ただのイベントじゃないぞ」


一人の常連客が言う。


「さっきの子たち、ええ仕事しとるな」


その一言が、じわじわ広がる。


気づけば――


中高年のボートレースファンの間で、


ヒロ九の名前が浸透していた。


「……なんか、評価上がってません?」


澪が小声で言う。


「ですね」


菜々子も頷く。


ひなたが笑う。


「よか流れですねぇ」


香澄も満足げ。


「お客さんが楽しめるのが一番ですけん」


沙羅は腕を組む。


「まあ、私が一番効いてたけどね」


「そこは譲らないんですね」


夕方。


ヒロ九ラッピングバスが再びエンジンをかける。


ゴロロロロ……


「……やっぱり音が不安です」


「味たい」


「いよいよですね」


菜々子が前を見る。


目的地は――


長崎市内。


ヒロ九クエスト。


ここまで順調とは言えないが、確実に前に進んでいる。


そして次は――


物語の本丸。


■一言まとめ


「レースより荒れる観客席、だがヒロ九はもっと速く鎮める」

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