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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク


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ヒロ九クエスト 第7話 坂の町に現れた奇跡!? ― 長崎、超大型新人お披露目前夜 ―

ヒロ九ラッピングバスは、ゴロロロロ……とやや不安な音を響かせながら、ついに長崎市内へと到着した。


長崎――

路面電車がのんびり走り、石畳と坂が折り重なる街。

オランダの薫りを残す異国情緒と、どこか懐かしい港町の空気。

平和都市としての静けさと、人の温かさ。

そして最近は新スタジアムも稼働し、スポーツと観光の両面で注目を集める街でもある。


「……なんか、いい街ですね」


澪がぽつりとつぶやく。


「坂多すぎない?」


沙羅がすぐ現実に戻す。


「走りがいありますねぇ」


ひなたが目を輝かせる。


「走らなくていいです!!」


菜々子のツッコミも、もはや定番だった。


ふと路地を見ると、猫がのんびり寝ている。


「猫も多いですね……」


「人も猫も優しかとですよ」


香澄が笑う。


そんな長崎で開催されるのが――


「戦隊ヒロインサミット長崎」


ヒロ九にとって、これまでの旅の集大成とも言える大型イベント。

会場は市内の大きなイベントホール。

すでに設営は終わり、今日はリハーサルの日だった。


ステージ上では、音響チェックや動線確認が進む。


「はい、そこ立ち位置違います!」


「次の転換、5秒早く!」


菜々子は完全に“現場責任者モード”だった。


「……なんか普通に有能ですね」


澪が小声で言う。


「最初からです!!」


一方、控室。


空路で長崎入りしていたヒロインたちも合流し、完全にお祭り状態だった。


赤嶺美月、西川彩香、迫田ツインズ、麻衣、あかり――

西日本の主力メンバーが揃うと、空気が一気ににぎやかになる。


「なんやこの規模!ほんまに地方イベントか!?」


「ヒロ九、やるやん!」


「坂多すぎて足パンパンやわ」


「それな」


ヒロ九側はやや圧倒され気味だった。


「……うるさいですね」


「関西勢です」


「納得です」


そんな中、菜々子が控室のドアの前に立つ。


「……皆さん、ちょっといいですか」


珍しく、少しだけ真剣な声。


「今日はもう一人、紹介したい方がいます」


ドアが開く。


入ってきたのは――


黒髪ツインテールの少女。


一瞬、空気が止まった。


「……え?」


美月が固まる。


「ちょっと待って」


彩香も言葉を失う。


「何これ」


沙羅が本音を漏らす。


「すごい……」


澪は素直に見惚れる。


ひなたも思わずつぶやく。


「これは……すごかですねぇ」


そこにいたのは、あまりにも完成度の高い“美少女”だった。


だが、ただ可愛いだけではない。


どこか凛とした雰囲気と、柔らかさが同居している。


菜々子が紹介する。


「長崎市の……片淵栞奈さんです」


「初めまして。よろしくお願いします」


丁寧で落ち着いた挨拶。


その声のトーンも、言葉選びも、妙に大人びている。


説明が入る。


・長崎市内の人気店「みなと日和」の看板娘

・現在17歳の高校生

・ヒロイン加入は“内定段階”


「え、まだ高校生なん!?」


「やばいやろこれ……」


「完成度どうなっとんねん」


ざわつくヒロインたち。


美月が頭を抱える。


「うちのツインテール、終わったわ」


彩香が即座に評価する。


「これは……100年に一度の大型新人や」


だが栞奈は、困ったように微笑むだけ。


「そんなことないです……」


謙遜も自然。


そこから質問攻めが始まる。


「好きな食べ物は?」

「部活は?」

「ヒロイン興味あったん?」


そのすべてに、栞奈は丁寧に答える。


・分かりやすく

・相手に合わせて

・無駄がない


澪がぽつり。


「……頭いいですね」


沙羅が小声で言う。


「これ、バケモノじゃない?」


ひなたが笑う。


「よか子ですねぇ」


菜々子が台本を差し出す。


「これが明日の流れです」


香澄も補足する。


「ここで軽く自己紹介してもらいますけん」


栞奈は一度目を通し――


「はい、大丈夫です」


即答。


リハーサル。


立ち位置、タイミング、受け答え。


すべてが自然。


「……なんで一回でできるの?」


沙羅が真顔になる。


「覚えがいいんですね」


澪も呆然。


菜々子は静かに言う。


「……これは」


一拍。


「来ましたね」


控室の空気が変わる。


ヒロ九の旅は、ここで一つの転機を迎えた。


外では、長崎の夜景が静かに輝いている。

坂の上から見下ろす港の灯り。

路面電車の明かりがゆっくりと流れる。


その街に、ひとつの“奇跡”が現れた。


■一言まとめ


「逸材じゃない、完成形が来た」

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