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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク


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ヒロ九クエスト 第5話 走れ未来のエース! ― 雲仙、山とピッチの緊急連携ミッション ―

島原半島を北上するヒロ九ラッピングバス。

温泉トラブルを解決したばかりの車内は、妙に達成感に包まれていた。


「なんか普通に仕事できてません?」


沙羅が窓の外を見ながら言う。


「最初からそうです!!」


菜々子は即答した。


「最初は出発五分で戻ってましたよね……」


澪が小声で現実を指摘する。


「それはノーカウントです!!」


ひなたはそんなやり取りを聞きながら、にこにこと外を見ていた。


「よか景色ですねぇ」


バスはやがて雲仙市へと入る。


そこは――

雲仙普賢岳を望む雄大な自然の町。

霧に包まれる幻想的な風景と、温泉、そして――


「ここ、サッカー強いとこあるんですよね?」


ひなたが言う。


「はい。未来のJリーガーとか日本代表候補がごろごろいる名門校です」


菜々子が資料をめくる。


「そんなのいるの!?」


沙羅が身を乗り出す。


「ちょっと見に行こうよ」


「観光じゃなかです!!」


――と言ったその直後だった。


グラウンドの方から、慌ただしい声が聞こえてくる。


「ボールが足りん!」

「誰か持ってったか!?」


ヒロ九、即反応。


「……クエストですね」


ひなたが静かに言う。


近づいてみると、そこには噂の強豪校サッカー部。


だが様子がおかしい。


・ボールが足りない

・練習用の備品も一部紛失

・グラウンドの一部は霧と湿気で状態が悪い


「大会前なのにこれじゃ練習にならん……」


キャプテンらしき選手が歯を食いしばる。


「これは……放っておけません」


ひなたが前に出る。


「やります」


菜々子も即決。


ヒロ九、調査開始。


「風で流された可能性が高いですね」


菜々子が周囲を見渡す。


雲仙の山特有の強風と霧。

軽い備品なら簡単に飛ばされる。


「探しましょう!」


ひなた、即ダッシュ。


「速い!」


澪が驚く。


「いや速すぎる!」


沙羅もツッコむ。


山道、斜面、草むら。


ひなたはとにかく走る。


「ありました!」


ボール発見。


さらに走る。


「こっちにも!」


完全に“回収係”。


一方、澪も地味に活躍する。


「ここにネット引っかかってます」


「これも備品ですか?」


細かい回収能力が光る。


沙羅は――


「これ、SNSで拡散するね」


「はい?」


「“名門サッカー部ピンチ”って」


数分後。


「人来た」


「え?」


地元の人、OB、近隣住民が集まる。


「手伝うばい!」

「昔ここでやっとった!」


「……有能では?」


菜々子が素直に感心する。


そして数時間後。


・ボール回収完了

・備品復旧

・簡易整備完了


グラウンド、復活。


「よし、やるぞ!」


監督の声。


選手たちが一斉に走り出す。


ボールが蹴られる音。

掛け声。

スパイクの音。


夕方のグラウンドに、活気が戻る。


ひなたがぽつり。


「よかですねぇ」


その目は、どこか懐かしそうだった。


キャプテンが歩み寄る。


「ありがとうございました」


真っ直ぐな目。


「本当に助かりました」


ひなたが笑う。


「頑張ってくださいねぇ」


するとキャプテンが言う。


「プレーで必ず恩返しします」


その言葉に、全員が少しだけ胸を打たれる。


澪がぽつり。


「フロンターレに入ってくれると嬉しいけどね、知らんけど」


「急に具体的!!」


沙羅がツッコむ。


「いや夢の話ですから……」


全員で笑う。


ヒロ九は、また一つ信頼を積み上げた。


・地域

・若い世代

・スポーツ


少しずつ、確実に広がっていく。


夕暮れ。


雲仙普賢岳を背に、ヒロ九バスがエンジンをかける。


ゴロロロロ……


「……やっぱり音が不安です」


菜々子が言う。


「味があるばい」


香澄が即答。


「次は長崎ですね」


澪が静かに言う。


「いよいよ本番ですね」


菜々子が前を見る。


ひなたが笑う。


「よか流れ来てますねぇ」


ヒロ九バスは、再び走り出す。


未来のエースたちの背中を見送って――

次の舞台、長崎市内へ。


■一言まとめ


「未来を救ったら、未来に応援された」

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