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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク


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雨漏り本部、発進せよ! ― 山奥プレハブとポンコツバスでヒロ九開業 ―

ヒロ室九州――ヒロ九。

人も金も拠点もない三重苦の中、ついに一歩前進した。


理由はシンプルだ。


有村ひなたが来たから。


「おはようございます!!」


朝イチから山に響く大声。


「今日の作業、全部やります!!」


誰も頼んでないのに全部やる気満々。


古賀菜々子は額を押さえた。


「……ありがたいけど、配分というものが」


「配分より気合いです!!」


「それが一番困るとです!!」


だが、この勢いが効いた。


それまで様子見だった周囲の空気が変わる。


「ここまでやるなら手伝わんと回らんね」


ヒロ室フロント、ついに本気モード。


さらに決定打となったのが――


あの一件。


「もう知らんばい!!」


菜々子のブチ切れ。


あれで完全にスイッチが入った。


そんな中、動いたのが熊本産業交通。


「金はなか」


「はい」


「ばってん」


菜々子、身構える。


「建物ならあるばい」


「……はい?」


想定外すぎる提案。


連れて行かれた先は――


熊本市郊外。


いや、郊外を越えてほぼ山。


「……遠かですね」


「秘境だね」


そこにあったのは、かつてのバス営業所。


現在――


放置。


建物を確認。


プレハブ。


そして――


ポタ。


「……今、音しました?」


ポタポタ。


「雨漏りばい」


「晴れてますよね!?」


「湿気たい」


「湿気で雨漏りするんですか!?」


中に入る。


床、ギシギシ。


壁、ペラペラ。


電源、たまに点く。


「……これは」


「無いよりマシたい」


担当者、堂々。


沈黙。


数秒。


菜々子が言う。


「……ここを使います」


「えっ」


「拠点にします」


即決。


「大丈夫ね?」


「大丈夫じゃなかですけどやるしかなかです!!」


そして始まる――


草むしり。


支配人が。


スーツで。


黙々と。


草を抜く。


ひなた、参戦。


「楽しいですね!!」


「楽しくはなかです!!」


だが速い。


草むしりでタイムを計り始める。


「3分でこの範囲終わります!」


「競技化せんでください!!」


数時間後。


なんとなく拠点っぽくなる。


「……いけます」


「いける?」


「いけることにします!!」


そこへ担当者。


「もう一つあるばい」


「はい?」


「バス」


「……はい?」


現れたのは――


ヒロ九ラッピングバス。


・デフォルメされたヒロイン

・ポップなカラー

・妙にクオリティ高いデザイン


「……すごか」


ひなた、目キラキラ。


「これは目立ちますね」


菜々子も素直に感心。


だが。


エンジン始動。


ゴロロロロロ……


「……音が」


「元気たい」


「違いますよね?」


「年季たい」


中を見る。


・シートちょっと硬い

・窓の開閉が微妙

・エアコン、気まぐれ


「……これ」


「走るばい」


「そこは信用します!!」


見た目:最新

中身:昭和


こうしてヒロ九は、


山の中のプレハブ拠点+ポンコツラッピングバスという


謎の体制で動き出した。


夜。


プレハブの外。


星空が広がる。


ひなたが伸びをする。


「いいですね、ここ」


「どこがですか」


「なんもないとこ」


一拍。


「だから、なんでもできる」


菜々子は少し考える。


そして小さく頷く。


「……確かに」


新橋のヒロ室。


熊本の山奥。


二拠点体制。


屋根はたまに抜ける。


バスはいつ止まるか分からない。


だが――


動き出した。


確実に。


「次は何します?」


ひなたが聞く。


菜々子は即答する。


「九州縦断ツアーです」


「いいですね!!」


「絶対トラブル起きますけど」


「大丈夫です!!」


「何がですか!!」


その時。


プレハブの天井から――


ポタ。


「……」


「……」


「……バケツ持ってきます」


ヒロ室九州。


その戦いは――


雨漏りとの戦いから始まった。

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