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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク


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1202/1262

実力満点、協調性だけ要観察!?――らぶりんか王国・女王陛下、国民投票で戦隊ヒロインになる ――元人気アイドル、現役イベントコンパニオン。土屋凜花24歳、国家プロジェクトでも「私が一番」でいられますか?

沼津。


狩野川。


夕方。


数日前。


ぽかぽかトリオの沼津公演が終わった後。


川沿いのおしゃれなカフェで、四歳くらいの女の子が風に飛ばされた工作を追って遊歩道へ飛び出しかけた。


真っ先に気づいた白浜麻衣は、


「萌音ちゃん、お母さんお願い!」


「詩織さん、あの子に声を!」


と仲間へ指示。


さらに。


たまたま近くで動画配信をしていた。


見ず知らずの美女にまで。


「そこのお姉さん! 右から前へ回ってください!」


と叫んだ。


その美女。


土屋凜花。


24歳。


元アイドル。


現役イベントコンパニオン。


凜花は、


「何で私?」


とは言った。


一度だけ。


でも。


麻衣が、


「お願いします!」


と言った瞬間。


子ども。


自転車。


位置。


確認。


即座に動いた。


長い脚。


活かす。


横。


回り込む。


女の子の進行方向。


先。


しゃがむ。


「はい、ここでストップしよっか」


事故。


なし。


終了。


その様子。


少し離れたテーブルから。


戦隊ヒロインプロジェクト責任者。


芹沢遥室長が。


見ていた。


遥。


土屋凜花へ。


名刺。


一枚。


渡す。


「もし興味あったら、連絡してね」


その時。


凜花。


特別。


感動。


しなかった。


戦隊ヒロイン。


国家。


使命。


地域貢献。


正義。


そういう言葉に。


胸。


熱くなったわけでもない。


家。


帰る。


メイク。


落とす。


シャワー。


浴びる。


髪。


乾かす。


そして。


机。


名刺。


見る。


国家特務戦隊ヒロインプロジェクト

室長 芹沢遥


凜花。


数秒。


見る。


鏡。


見る。


また。


名刺。


見る。


「…………」


そして。


口元。


少し。


上がる。


「私、スカウトされたのよね」


重要。


そこ。


凜花。


かなり。


嬉しい。


いや。


相当。


嬉しい。


自分から。


オーディション。


受けた。


ではない。


向こうから。


見つけられた。


しかも。


普通の芸能事務所でも。


コンパニオン会社でもない。


国家プロジェクト。


責任者。


直々。


「まあ……見る人が見れば分かるってことよね」


土屋凜花。


自己顕示欲。


強い。


非常に。


強い。


自分。


見られる。


好き。


褒められる。


好き。


選ばれる。


もっと。


好き。


そして。


こういう重要案件。


一人で決める。


のは。


らぶりんか王国。


国家運営上。


よろしくない。


凜花。


スマートフォン。


セット。


ライト。


位置。


確認。


カメラ。


角度。


確認。


髪。


一本。


直す。


開始。


動画配信チャンネル。


『RINKA MODE』


画面。


凜花。


笑顔。


「りんか民のみんな、ごきげんよう♡」


コメント。


一気。


流れる。


《陛下ー!》


《女王陛下ごきげんよう》


《本日も美しい》


《御意》


《らぶりんか王国万歳》


凜花。


満足。


「よろしい♡ 今日も忠誠心は高いみたいね」


《納税します》


「勝手に納税しないで」


《増税希望》


「そんな国民いる!?」


これ。


いつもの。


らぶりんか王国。


凜花。


絶対君主。


視聴者。


国民。


総称。


りんか民。


凜花。


咳払い。


少し。


真面目。


「今日は、らぶりんか王国の将来を左右する重要案件があります」


コメント。


《戦争》


《遷都》


《増税》


《王室結婚》


《国交断絶》


凜花。


「何で一個も平和なのないのよ!」


コメント。


笑い。


そして。


凜花。


「実は先日、戦隊ヒロインプロジェクトの関係者から、参加してみないかとお声掛けをいただきました」


数秒。


コメント。


止まる。


次。


爆発。


《ええええええ》


《陛下ついに国家公務》


《戦隊ヒロインりんか様》


《沼津代表きた》


《らぶりんか王国が国家承認された》


《日本政府と国交樹立》


凜花。


「国家承認されてない!」


《併合?》


「されません!」


《世界征服の第一歩》


「違う!」


凜花。


名刺。


カメラ。


映さない。


そこ。


ちゃんとしている。


「まだ参加すると決めたわけじゃありません」


《参加》


《しよう》


《絶対》


《衣装似合う》


《テレビ増える》


《全国区》


凜花。


一番最後。


ちょっと。


反応。


する。


全国区。


いい響き。


だが。


女王。


冷静。


装う。


「そこで」


姿勢。


正す。


「らぶりんか王国として、国民投票を実施します」


《民主主義!?》


《絶対君主制崩壊》


《革命成功》


凜花。


「絶対君主だけど、たまには民意聞くの!」


画面。


投票。


表示。


土屋凜花女王陛下は、戦隊ヒロインプロジェクトに参加すべきか?


賛成。


反対。


投票。


開始。


数字。


動く。


賛成。


68%。


75%。


81%。


87%。


90%。


凜花。


途中から。


明らか。


嬉しそう。


「ちょっと待って。圧倒的じゃない?」


《当然》


《陛下なら余裕》


《もっと有名になって》


《沼津代表》


《歌も踊りもできる》


《現場強い》


《この前の子どもの件も良かった》


《ヒロイン衣装絶対似合う》


そして。


最終。


賛成 92.4%

反対 7.6%


凜花。


腕組み。


口元。


完全。


緩む。


「民意、圧倒的じゃない♡」


《陛下万歳》


《御意》


《戦隊ヒロイン女王陛下爆誕》


凜花。


しかし。


ふと。


「でも7.6%いるのよね」


コメント。


《いる》


《反対派処刑?》


「しません!」


「せっかくだから、反対意見も読みます」


凜花。


こういうところ。


意外。


ちゃんと。


読む。


最初。


《イベントコンパニオンの仕事が減りそうだから嫌》


凜花。


「これは現実的ね」


次。


《配信減ったら困る》


「RINKA MODEは続けたいわよ」


次。


《危険な仕事してほしくない》


凜花。


少し。


柔らかい。


「……ありがと」


そして。


来る。


《凜花様ってチーム活動向いてなくない?》


凜花。


止まる。


「…………」


コメント。


《あ》


《核心》


《触れた》


凜花。


「誰?」


次。


《女王陛下、人に合わせるの苦手じゃん》


《センター以外で我慢できる?》


《他のヒロインと揉めそう》


《単独行動向き》


《凜花様、自分が一番じゃないと嫌でしょ》


凜花。


顔。


少し。


険しい。


「りんか民、私のことどういう人間だと思ってるの?」


《かなり正確に理解しています》


「腹立つ!」


でも。


消さない。


ブロック。


しない。


そして。


今度。


賛成派。


《でも仕事は絶対手抜きしない》


《ダンス強い》


《歌える》


《トークできる》


《体力ある》


《度胸ある》


《女王陛下ならもっと上に行ける》


凜花。


最後。


見る。


「もっと上に……」


これ。


効く。


凜花。


一番。


弱い。


言葉。


もっと上。


もっと注目。


もっと評価。


そして。


《もっとたくさんの人に凜花様を知ってほしい》


凜花。


少し。


黙る。


配信。


いつもの女王様。


でも。


本心。


そこ。


りんか民。


よく。


分かっている。


凜花。


姿勢。


正す。


「それでは結果を発表します」


コメント。


《もう出てる》


「形式!」


咳払い。


「賛成92.4%、反対7.6%」


「らぶりんか王国国民投票の結果、戦隊ヒロインプロジェクト参加案は可決されました」


《陛下万歳》


《御意》


凜花。


少し。


笑う。


「よって、女王陛下は戦隊ヒロインプロジェクトへの参加を決定します♡」


コメント。


爆発。


《うおおおお》


《沼津代表》


《全国制覇》


《国家プロジェクト女王》


《装備費に納税します》


「納税はいらない!」


配信。


終了。


凜花。


スマホ。


置く。


机。


名刺。


取る。


「……じゃ、連絡しようかな」


その声音。


ちょっとだけ。


楽しそう。


数日後。


東京。


新橋。


ヒロ室。


土屋凜花。


面談。


ドア。


ノック。


「失礼します」


入室。


担当。


真帆。


顔。


上げる。


一瞬。


綺麗。


と思う。


イベントコンパニオン。


王道。


長身。


スレンダー。


腰。


高い。


長い。


腕。


脚。


小顔。


艶のある。


長い黒髪。


輪郭。


繊細。


目鼻立ち。


非常に。


整う。


どこか。


フランス人形。


思わせる。


華やか。


クール。


エキゾチック。


でも。


笑う。


途端。


元アイドル。


らしい。


少し。


あどけない。


クールビューティ。


と。


少女っぽさ。


共存。


真帆。


履歴書。


見る。


「土屋凜花さん。24歳」


「はい」


「静岡県沼津市出身。現在も沼津市在住」


「はい」


「元アイドル。現在はイベントコンパニオン、モデル、MC、動画配信」


「はい」


声。


明瞭。


目線。


安定。


姿勢。


綺麗。


返答。


短い。


分かりやすい。


オーディション。


面接。


企業イベント。


記者取材。


散々。


経験。


してきた。


凜花。


こういう場所。


強い。


真帆。


「応募理由は?」


凜花。


「活動の幅を広げたいからです」


真帆。


「人を助けたい、ではなく?」


凜花。


「もちろん必要な仕事ならします」


「でも、急に“正義のためです”って言う方が嘘っぽくないですか?」


真帆。


一瞬。


笑いそう。


耐える。


「なるほど」


「自分にできることを増やしたいんです。それで、もっと大きな仕事ができるなら挑戦したいです」


「長所は?」


「努力を続けられることです」


「短所」


一秒。


「負けるのが嫌いです」


「人に?」


「はい」


「協調性は?」


ここ。


一瞬。


間。


「必要なら合わせられます」


真帆。


心。


好きとは言わないのね。


でも。


受け答え。


正直。


なおかつ。


崩れない。


真帆。


後に。


「開始五分で合格を出したかった」


と言う。


それくらい。


面談。


完璧。


しかも。


遥室長。


直接。


推薦。


ほぼ。


形式。


ただし。


戦隊ヒロイン。


チーム。


仕事。


芸能界。


評判。


確認。


必要。


そして。


ヒロ室。


偶然。


イベントコンパニオン。


いる。


一人目。


大宮麗奈。


真帆。


「麗奈、土屋凜花って知ってる?」


麗奈。


一瞬。


露骨。


嫌そう。


「凜花?」


「うん」


「あぁ……あの子ねぇ」


もう。


良くない。


「一緒に仕事した?」


「あるよ」


「評判どう?」


麗奈。


腕。


組む。


「仕事はできる」


そこ。


認める。


「顔は綺麗。スタイルいい。客の目引く。台本覚える。商品説明もちゃんとする」


「じゃあ」


「でも私は一緒にやりたくない」


即答。


真帆。


「そんなに?」


麗奈。


「とにかく目立ちたがり屋」


「集合写真なら真ん中行きたい」


「ステージなら一歩前に出たい」


「MC振られてなくても、自分が入れそうなら入る」


「自分だけ見られてればいい、みたいな感じなんだよね」


真帆。


「実害は?」


「立ち位置決まってるのに、“私こっちの方が映えるから”って勝手に変えようとしたことあるよ」


「それは困る」


「でしょ?」


麗奈。


かなり。


厳しい。


「凜花本人は、良いステージにしたいって思ってるんだと思う」


「でも周りは、その子のためのバックダンサーじゃないから」


「友達は?」


「同業者には少ないんじゃない?」


そして。


「私はいい印象ないなぁ」


次。


森川美里。


真帆。


少し。


期待。


美里。


温厚。


人。


悪口。


ほぼ。


言わない。


「美里、土屋凜花って知ってる?」


美里。


一瞬。


顔。


曇る。


「……知ってるよ」


真帆。


嫌。


予感。


「どんな子?」


「仕事はちゃんとしてる」


また。


同じ。


「それ以外は?」


美里。


困る。


「あんまり人のこと悪く言いたくないんだけど……」


「うん」


「私、ステージで押されたことある」


「押された?」


美里。


「フォトセッションでね」


「私が前にいたら、“そこ私入るから下がって”って」


「口で?」


「言われた後、肩をぐいって」


真帆。


眉。


寄る。


「痛いほどじゃないよ!」


美里。


すぐ。


フォロー。


「ただ……私はああいうの、嫌だったかな」


森川美里。


怒る。


こと。


少ない。


その美里。


明確。


嫌。


言う。


結構。


深刻。


「凜花ちゃん、意地悪っていうより、自分が前に出ることが一番大事なんだと思う」


「同業者から好かれるタイプではないかなぁ……」


真帆。


資料。


閉じる。


これは。


聞く。


遥。


「室長」


「何?」


「土屋さん、同業者からの評判がかなり悪いです」


遥。


「えぇ?」


麗奈。


美里。


内容。


説明。


遥。


本気。


困惑。


「そうかなぁ……」


「沼津では?」


「良い子だったよぉ」


「どういう意味です?」


「麻衣ちゃんと初対面なのに、麻衣ちゃんが“右から回って”って言ったら、そのまま動いてくれたら」


「子どもにも優しくしてたし」


少し。


考える。


「私、良い子だと思ったんだけどなぁ」


隼人。


横。


資料。


めくる。


「緊急時と競争環境では行動傾向が違うのでしょう」


遥。


「競争環境?」


「イベントコンパニオンは、注目されること自体が仕事の成果になる側面があります」


「戦隊ヒロインでは、そうとは限りません」


遥。


「なるほどねぇ……」


でも。


気になる。


芸能界。


アイドル。


イベント。


全部。


詳しい人。


一人。


いる。


ノムさん。


ブラックキャブプロダクション。


野村吉彦社長。


遥。


電話。


「ノムさん、土屋凜花って子知っとる?」


電話。


向こう。


「土屋凜花? 知っとるよ」


即答。


「元TRDの子じゃろ?」


TOKYO RHYTHM DOLLS。


通称。


TRD。


東京発。


都会的。


洗練された。


ダンスアイドルユニット。


大手芸能事務所が。


大型女性アイドルグループ勢力。


対抗。


作った。


一般的知名度。


巨大グループには及ばない。


でも。


アイドルファン。


現場。


評価。


高い。


「実力派」


「生で見ると強い」


そんな。


グループ。


凜花。


人気メンバー。


だった。


遥。


「どんな子だった?」


ノムさん。


緩い広島弁。


「中学生くらいでデビューしとったと思うよ」


「当時から目立っとった」


「背ぇ高うて、手脚が長うての。中学生なのに、妙に大人びた雰囲気があったんじゃ」


「顔も、ただのかわいい系じゃない。ちょっとエキゾチックで、ステージへ出たら自然と目ぇ行く子じゃった」


遥。


「実力は?」


「あったよ」


断言。


「ダンス上手い。歌も歌える。トークも返せる」


「手脚が長いけぇ、ダンスが映えるんよ」


「アイドルにしちゃ少し妖艶な表現もできてな。現場人気、高かったよ」


「じゃあ、なんで卒業したの?」


ノムさん。


少し。


間。


「あの子はのぉ……TRDの空気と合わんかったんじゃろうね」


「空気?」


「あそこ、メンバー同士がよう仲良かったじゃろ」


「楽屋でも仲良し、休日も一緒、みんなで頑張ろう、いう感じ」


「凜花は、ああいうのがあんまり好きじゃなかったんよ」


遥。


「仲悪かった?」


「悪いいうより、考え方が違う」


ノムさん。


続ける。


「あの子は一番になりたいんじゃ」


「一番綺麗でいたい」


「一番上手う踊りたい」


「一番客の目を集めたい」


「自分の名前で勝負したい」


遥。


静か。


聞く。


「そのためなら、人より倍でも三倍でも努力する子じゃと思う」


「ストイックなんだ」


「ものすごいと思うよ」


「食事、体型、肌、髪、姿勢、全部気にするタイプじゃろ」


「歌も踊りも、手ぇ抜かん」


そして。


ノムさん。


大事。


言う。


「あの子を、ただ“性格悪い”だけで片付けたら違うと思うんよ」


遥。


「どう違う?」


「目立ちたいいう欲が、あの子のエンジンなんじゃ」


「注目されるんが快感じゃけぇ、そのために努力できる」


「せやけぇ客前で手ぇ抜かんし、商品説明も覚える。自分の見せ方も研究する」


「クライアントからしたら優秀じゃろうね」


「同業者からは?」


「嫌われるじゃろ」


即答。


遥。


「やっぱり?」


「そりゃそうよ」


「全員が前へ出たい世界で、さらに一歩前へ出てくるんじゃけぇ」


「周りはしんどいと思うで」


「戦隊ヒロインは?」


ノムさん。


少し。


考える。


「そこは微妙じゃのぉ」


「芸能界なら、“私を見て”は武器じゃ」


「でも戦隊ヒロインって、時には他人を立てたり、自分が引いたりせにゃいけんのじゃろ?」


「うん」


「自分が前へ出た方がいい場面では、ものすごい戦力になると思う」


「問題は、自分が一歩引いた方が全体が上手くいく場面じゃ」


「そこで引けるかは、正直わしゃ分からん」


遥。


「悪い子ではない?」


「悪い子ではないと思うよ」


「裏で人を潰すとか、仕事サボるとか、そういうタイプじゃない」


「むしろ真面目じゃ」


少し。


笑う。


「ただ、我が強い」


「どのくらい?」


「かなり」


「かなり?」


「相当」


遥。


「だんだん強くなっとるじゃん」


ノムさん。


笑う。


「まあ戦隊ヒロインに入れたら、おもろいとは思うよ」


遥。


「最後は面白がっとるだけじゃん!」


「ギョーカイ人じゃけぇ」


電話。


終了。


遥。


少し。


考える。


真帆。


「どうします?」


遥。


「入れてみよっか」


「軽いですね」


「能力があるなら、足りないところは入ってから覚えればいいら」


隼人。


「室長は簡単に言いますね」


遥。


「最初から全部できる人なんていないもん」


そして。


土屋凜花。


正式。


加入。


決定。


24歳。


静岡県沼津市出身。


現在も。


沼津在住。


元TOKYO RHYTHM DOLLS。


現役。


イベントコンパニオン。


モデル。


配信者。


動画配信。


RINKA MODE。


らぶりんか王国。


女王陛下。


りんか民。


そして。


外見。


一度。


見れば。


忘れにくい。


長身。


スレンダー。


イベントコンパニオンらしい。


王道。


均整。


長い。


手脚。


小さい。


顔。


艶。


長い黒髪。


すっと。


伸びた。


首。


姿勢。


立つ。


それだけ。


完成。


顔立ち。


端正。


西洋人形。


特に。


繊細なフランス人形のような。


整い方。


目元。


少し。


クール。


鼻筋。


高すぎず。


まっすぐ。


輪郭。


シャープ。


大人っぽい。


エキゾチック。


なのに。


笑顔。


急に。


元アイドル。


あどけない。


少女っぽい。


24歳。


女性。


クールビューティ。


と。


アイドル時代。


名残。


両方。


そこ。


強い。


美意識。


猛烈。


朝。


鏡。


見る。


夜。


鏡。


見る。


外出前。


全身。


確認。


体型。


食事。


髪。


肌。


姿勢。


歩き方。


全部。


管理。


単なる。


ナルシスト。


ではない。


凜花。


曰く。


「見られる仕事してるんだから、綺麗にして出るのは礼儀でしょ?」


仕事。


真面目。


遅刻。


しない。


台本。


覚える。


商品。


覚える。


スポンサー。


覚える。


担当者。


名前。


覚える。


急な変更。


対応。


できる。


だから。


クライアント。


評判。


良い。


ただし。


同業者。


評判。


悪い。


友人。


ほぼ。


いない。


本人。


そこまで。


困っていない。


「仕事しに来てるんだから、別に友達作らなくてもいいでしょ?」


強い。


そして。


次。


研修。


静岡県富士市。


富士川。


ほとり。


国家特務戦隊ヒロイン中央研修複合学習センター富士川分室。


凜花。


入口。


看板。


読む。


「国家特務戦隊ヒロイン中央研修複合学習……」


止まる。


職員。


「富士川分室で大丈夫です」


凜花。


「ですよね」


誰も。


正式名称。


言えない。


研修。


担当。


太田すみれコーチ。


基礎体力。


最初。


走る。


速い。


持久。


強い。


柔軟。


高い。


体幹。


強い。


ダンス。


長年。


やっている。


身体。


使い方。


知る。


すみれ。


タイム。


見る。


「……いいじゃん」


凜花。


「ありがとうございます」


「“まあまあ”じゃないぞ。かなりいい」


次。


反応。


バランス。


瞬発。


全部。


高い。


戦闘基礎。


初めて。


構え。


一回。


教える。


二回目。


直す。


三回目。


かなり。


形。


なる。


すみれ。


「覚え早いな」


凜花。


「同じこと二回注意されるの嫌なので」


すみれ。


一瞬。


見る。


「そういうタイプか」


「どういうタイプです?」


「負けず嫌い」


「その通りです」


即答。


座学。


高得点。


危機対応。


高得点。


救急。


高得点。


情報管理。


高得点。


地域イベント。


当然。


強い。


スポンサー対応。


むしろ。


講師。


できる。


さらに。


堀井琴葉。


元。


小学校教諭。


今。


近江商人。


そして。


戦隊ヒロイン。


研修。


補助。


子ども対応。


接遇。


地域活動。


見る。


琴葉。


最初。


凜花。


見る。


少し。


心配。


華やか。


女王陛下。


子ども。


大丈夫。


か。


ところが。


児童役。


前。


凜花。


しゃがむ。


目線。


合わせる。


声。


少し。


柔らかく。


「どうしたの?」


答え。


待つ。


急かさない。


必要。


以上。


触らない。


琴葉。


「慣れとるなぁ」


凜花。


「ファミリーイベントも多いので」


「ああ、それでか」


クレーム対応。


想定。


客役。


怒る。


凜花。


遮らない。


聞く。


謝る。


でも。


不可能なこと。


約束。


しない。


担当者。


呼ぶ。


琴葉。


腕組み。


「……これも新しく教えること、あんまりないなぁ」


凜花。


「それ、褒めてます?」


「褒めとる褒めとる」


数日。


続く。


すみれ。


琴葉。


二人。


評価表。


前。


並ぶ。


すみれ。


「もういいんじゃないか?」


琴葉。


「うちもそう思うわ」


凜花。


「何がです?」


すみれ。


「研修」


「もう?」


「基礎体力十分」


琴葉。


「接客、地域対応、子ども対応も問題なし」


すみれ。


「覚え早い」


琴葉。


「現場経験も豊富」


すみれ。


「戦闘基礎も、この調子なら十分使える」


琴葉。


「イベント現場なんて、下手したらうちらより慣れとる」


凜花。


少し。


嬉しい。


顔。


出る。


すみれ。


「要するに」


一拍。


「新しく教えること、ほとんどない」


琴葉。


「即戦力やな」


凜花。


口元。


さらに。


上。


すみれ。


「顔に出てるぞ」


凜花。


「褒められて嬉しくない人います?」


「お前は普通より嬉しそうだな」


「評価されるために努力してますから」


すみれ。


一瞬。


それ。


気に入る。


「そこはいいな」


最終。


評価。


基礎体力 A

身体操作 A

反応速度 A

戦闘基礎 A相当

接遇能力 A

表現力 A+

イベント対応 A+

危機対応 A

座学 A

即戦力性 極めて高い


そして。


一番。


下。


すみれ。


筆。


止まる。


琴葉。


見る。


項目。


集団行動・協調性


二人。


「…………」


すみれ。


「ここだけだな」


琴葉。


「せやな」


評価。


要観察。


すみれ。


「自分が前へ出る時は強い」


琴葉。


「けど、人に任せて自分が一歩引く時にどうなるか」


すみれ。


「それは訓練じゃ分かんない」


琴葉。


「実際に仲間とやってみんとなぁ」


凜花。


その会話。


知らない。


研修。


終了。


控室。


スマートフォン。


ライト。


セット。


配信。


RINKA MODE。


「りんか民のみんな、ごきげんよう♡」


《陛下ー!》


《研修どうだった》


凜花。


得意げ。


「女王陛下、非常に優秀だそうです♡」


《知ってた》


《当然》


《首席》


《陛下最強》


凜花。


「まあ、当然よね」


コメント。


一つ。


《協調性は?》


凜花。


停止。


「…………」


《そこ》


《チームワーク》


《他の人にセンター譲れる?》


凜花。


「誰!?」


《りんか民です》


「分かってる!」


《陛下、人の後ろに立てる?》


「必要なら立てます!」


《本当?》


「本当!」


《目立たない位置でも?》


「…………」


《沈黙》


《無理だ》


《やはり》


凜花。


「りんか民!」


《御意》


「その“御意”やめなさい!」


笑い。


画面。


流れる。


そして。


研修所。


外。


富士川。


夕方。


凜花。


一人。


川。


見る。


ここ。


来る。


前。


戦隊ヒロイン。


使命。


そんなに。


興味。


なかった。


今。


少し。


違う。


自分。


どこまで。


できる。


もっと。


試したい。


評価。


されたい。


まだ。


上。


行ける。


なら。


行きたい。


その気持ち。


ちゃんと。


ある。


凜花。


小さく。


「……来て正解だったかも」


スマホ。


また。


通知。


《陛下、正式加入おめでとう》


《沼津代表》


《らぶりんか王国国家防衛軍創設》


凜花。


「だから王国軍を勝手に作るな!」


戦隊ヒロインプロジェクト。


新メンバー。


土屋凜花。


24歳。


静岡県沼津市。


元人気アイドル。


現役イベントコンパニオン。


クールビューティ。


女王陛下。


容姿。


抜群。


歌。


上手い。


ダンス。


上手い。


MC。


上手い。


体力。


高い。


判断力。


ある。


現場。


強い。


仕事。


真面目。


そして。


自己顕示欲。


特大。


すみれコーチ。


堀井琴葉。


両名。


「もう教えることはない」


と太鼓判。


ただし。


一つだけ。


まだ。


誰も。


採点。


できていない。


自分が一番になることより、仲間を生かすことを選べるか。


土屋凜花にとって。


本当に難しい研修は。


富士川分室では。


始まらなかった。


それは。


これから。


実際の戦隊ヒロインとして。


誰かと並び。


誰かに任せ。


誰かの後ろへ立つ時。


初めて。


始まる。


だが。


今は。


そんな未来。


知らない。


凜花。


鏡。


見る。


髪。


整える。


そして。


満足。


「うん。今日も完璧」


戦隊ヒロイン。


土屋凜花。


正式加入。


国家プロジェクトは。


とんでもなく華やかで。


とんでもなく優秀で。


そして。


とんでもなく目立ちたがり屋な。


新戦力を。


迎えることになったのである。

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