第67話 四者合流と最後の準備
地下施設 合流地点
ついに、美久・ルナ組とユイ・翔太組が合流した。
廃墟の中央広場のような場所で、四方から道が集まっている。
「翔太さん、大丈夫ですか?」
美久が心配そうに尋ねる。
翔太は憔悴していたが、目には希望の光があった。
髪はボサボサで、服は破れ、顔は泥だらけ。しかし、生きている。
「皆さんのおかげで...まだ生きてます」
声は掠れているが、確かな意志が感じられる。
「本当に...猫が喋ってる...」
「信じられないけど...でも、助けてくれた」
翔太がユイを見つめる。
「ありがとう...小さな救世主」
「でも、時間がありません」
ルナが警告する。
「あと20分で、翔太さんが収穫されてしまいます」
翔太が震える。
「収穫って...?」
「あなたの魂が、完全に絶望に染まり、コレクターの一部になるということです」
美久が説明する。
「そうなったら、もう元には戻れません」
翔太が意を決して言った。
「僕に...考えがあります」
全員が注目する。
「この3日間で気づいたんです」
「魂喰いの環は『絶望』を食べるけど、『希望』は食べられない」
「ユイさんの声で希望を感じた時、システムにエラーが起きました」
「黒い蔓が、一瞬緩んだんです」
「つまり...」
美久が理解する。
「希望の感情が、システムへの対抗手段?」
「そうです。だから僕が囮になります」
翔太が決意を示す。
「僕の中に希望と絶望を同時に作り出して、システムを混乱させます」
「危険すぎます!」
ユイが反対する。
「魂が引き裂かれるかもしれません」
「でも、他に方法がありますか?」
翔太が微笑んだ。それは、死を覚悟した者の、静かな笑みだった。
「それに...もう僕は一人じゃない」
「皆さんがいてくれる。それが僕の希望です」
「20万人の登録者より、大切な仲間ができた」
四人は顔を見合わせた。
危険な作戦だが、これしかない。
「分かりました」
美久がリーダーシップを取る。
「翔太さんが囮になっている間に、私たちでコレクターを倒します」
「みんなで力を合わせれば、必ず勝てます」
ユイが小さな体で立ち上がる。
「はい!みんなで翔太さんを守りましょう」
ルナが月の杖を掲げる。
「月の加護を」
「ありがとう...みんな」
翔太が涙を流した。
「生まれて初めて、本当の仲間ができた」
「もう、承認欲求なんてどうでもいい」
「みんなと一緒にいられるなら、それで十分だ」
四人は、最後の戦いへと向かった。
この町の闇を晴らすために。
そして、1000年の飢餓を終わらせるために。




