第50話 地下通路の発見
同日夕方 古い扉の前
三人とナイルは、落書きのあった場所に戻ってきた。
夕陽が町を赤く染める中、不気味な扉が地面に埋もれている。錆びた鉄の扉には、古代文字が刻まれていた。
「ここに間違いありません」
ルナが月の魔法で探査する。銀色の光が地面に浸透し、地下の構造を映し出す。
「地下深くまで続く通路があります」
「でも、とても古い...少なくとも500年以上前の」
「いえ、もっと古いかも」
美久がアミュレットをかざすと、扉の封印が反応した。金色の光と、扉の赤い光が激しくぶつかり合う。
「陽の巫女の力なら、開けられるかも」
「でも、強い抵抗を感じます」
「まるで、開けてはいけないと警告しているような」
ナイルが警告する。
「やめた方がいい。この下には...」
しかし、その時、地下から声が聞こえてきた。
『だれか...いる?』
子供の声だった。か細く、寂しそうな声。
『ごはん...くれる?』
『おなか...すいた...』
ユイの翻訳能力が、その声の真意を読み取る。
しかし、聞こえてきたのは言葉ではなく、純粋な飢餓感だった。1000年分の飢えが、波のように押し寄せてくる。
「開けましょう」
ユイが決意を固めた。
「第三の試練の本当の意味が、きっとこの奥にある」
慎重に封印を解くと、重い石の扉がゆっくりと開いた。
ギギギギ...
錆びた蝶番が、不気味な音を立てる。
中から、ひんやりとした空気が流れ出てくる。カビと腐敗の匂い、そして微かに甘い香り。それは、腐った果実のような、危険な甘さだった。
そして、微かな声も。
『やっと...きてくれた...』
『おなか...すいた...』
『1000ねん...まってた...』




