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第40話 ナイル(調和の神)の協力申し出

3日後 猫カフェ「ねこまち」 夕方


三人が祭りの詳細を話し合っていると、店のドアベルが鳴った。


入ってきたのは、銀色の髪を持つ美しい青年だった。瞳は深い紫色で、どこか神秘的な雰囲気を纏っている。


「お久しぶりです」


かつて虚無の神だったナイル。前回の戦いで改心し、今は調和の神として転生した彼が、穏やかな笑みを浮かべて立っていた。


「ナイル様!」


美久が驚く。アミュレットが微かに反応して、警戒の光を放つ。


「復興祭のことを聞きました。ぜひ、お手伝いさせてください」


ナイルの申し出は誠実に聞こえた。声には以前のような傲慢さはなく、本当に協力したいという気持ちが感じられる。


「私の『ハーモニー・コア』という力で、参加者の心を穏やかにできます」


ナイルが手を掲げると、淡い虹色の光が広がった。


「対立や不満を和らげ、みんなが楽しめる雰囲気を作れるのです」


「それは素晴らしい!」


ルナが喜んだ。これで祭りの成功は間違いないと思った。


しかし、ユイは気づいていた。ナイルの瞳の奥に、時折よぎる虚無の影を。それは一瞬のことだが、確かに以前の邪悪な気配が残っている。


「ナイル様、その力は安全なのですか?」


ユイが慎重に尋ねる。


「もちろんです。一時的に感情を穏やかにするだけ」


「害はありません」


ナイルは優しく答えたが、その笑顔の下に何か別のものが潜んでいるような気がしてならなかった。


ユイの翻訳能力が、ナイルの深層心理を捉えようとする。しかし...


『???...制御...???...危険...???』


断片的にしか読み取れない。まるで、何かが意図的にナイルの心を覆い隠しているかのよう。


「ありがとうございます、ナイル様」


美久が礼を言う。


「でも、無理はしないでくださいね」


「ええ、もちろん」


ナイルが店を出た後、ユイは不安を口にした。


「なんだか、嫌な予感がします」


「ナイル様の力に、何か別のものが...」


ルナが心配そうに言う。


「でも、彼は改心したはずでは?」


「そうだけど...」


美久が考え込む。


「念のため、注意深く見守りましょう」


しかし、彼女たちは知らなかった。


ナイルのハーモニー・コアは、すでに「何か」に侵食され始めていることを。

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