第31話 ニャンコタウンと人間の交流開始
3日後 ニャンコタウン 中央広場
田中さんを含む5人の理解者が、初めてニャンコタウンを訪れることになった。
町の入り口で、住民たちが不安そうに待っている。
「人間が来るって?」
「大丈夫なのか?」
ボスが心配そうに言う。大きな体を緊張させ、いつでも戦える態勢を取っている。
「この田中さんという方は、信頼できる人です」
ユイが説明する。
「美久さんの正体を知っても、受け入れてくれました」
「それに、他の4人も、田中さんが選んだ人たちです」
シロコが食堂の前で、特別な料理を準備していた。人間用のサイズの皿と、猫用のサイズの皿を並べている。
「おもてなしの準備は万端よ」
「でも、緊張するわね」
午後2時、ついに人間たちが到着した。
田中さんを先頭に、慎重に町に入ってくる。
「まあ...本当に猫の町があるのね」
田中さんが感嘆の声を上げる。
後ろの4人も、目を丸くしている。
「信じられない...」
「まるで童話の世界...」
「猫が二本足で歩いてる...」
住民たちと人間たちが、緊張した面持ちで向かい合った。
長い沈黙が流れる。
そして、最初に動いたのは、小さな子猫のチビタだった。
「こんにちは!」
チビタが人間たちに向かって手を振る。
「僕、チビタ!よろしくね!」
その無邪気な姿に、人間たちの緊張が解けた。
「まあ、可愛い!」
「本当に話してる!」
田中さんが膝をついて、チビタと握手をした。
「初めまして、チビタちゃん」
「私は田中よ」
その光景を見て、他の住民たちも少しずつ前に出てきた。
「ようこそ、ニャンコタウンへ」
シロコが丁寧に挨拶する。
「皆さんをお迎えできて、光栄です」
「猫の私たちと、お友達になってくれますか?」
人間の一人、若い女性の佐藤が答えた。
「もちろんです!」
「こんな素晴らしい出会い、夢みたいです」
ボスも恐る恐る近づいてきた。
「俺はボス。この町を守ってる」
「人間は...正直、苦手だった」
「でも、あんたたちは違うみたいだな」
田中さんがボスに手を差し伸べた。
「ボスさん、よろしくお願いします」
「私たちも、最初は不安でした」
「でも、出会えて本当に良かった」
ボスは照れくさそうに、大きな前足で握手を返した。
「ああ...よろしく」
その日、ニャンコタウンでは初めての「人間歓迎会」が開かれた。
シロコの特製料理を囲み、お互いの文化や生活について語り合う。笑い声が広場に響き、不安は少しずつ信頼に変わっていった。




