表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
21/95

第21話 古代猫王国への道

同日午後 音無神社地下


音無神社の本殿の奥に、隠し階段があった。美久のアミュレットが導くように光を放ち、道を示している。


地下への階段は、思っていたより深く続いていた。壁には古代文字が刻まれ、ところどころに猫の彫刻が施されている。空気はひんやりとしていて、どこか神聖な雰囲気が漂っていた。


「これは...」


階段を下りきると、巨大な石の扉があった。高さは5メートルはあろうかという巨大な扉。古代文字で覆われたその扉は、まさに異世界への入り口だった。


扉の中央には警告文が刻まれている。


『これより先、古代猫王国への道』 『陽と月、二つの力なくして開かれず』 『覚悟なき者は引き返すべし』


そして、扉の隅に小さく不吉な文字が刻まれていた。


『絶望を蒐集する影あり』 『コレクターの名において』


美久が震えた。


「これって...」


「コレクターの警告...いや、署名みたいなものでしょうか」


ユイが不安そうに言った。


その時、地下通路に足音が響いた。


「お待ちしておりました」


現れたのは、黒い毛並みの威厳ある老猫だった。金色の瞳が、暗闇の中で光っている。


「クロード長老!」


ユイが驚いて声を上げた。


「ユイ殿、お久しぶりです。そして美久様も」


クロードは優雅に頭を下げた。


「私は、ニャンコタウンと祢古町、そして古代猫王国を行き来している、数少ない存在です」


「クロードさん、この扉を開けることはできますか?」


美久が尋ねると、クロードは頷いた。


「できます。ただし、条件があります」


「条件?」


「陽の巫女の力と、王家の血筋。この二つが揃わなければ、扉は開きません」


美久とユイは顔を見合わせた。


「私たちなら...」


「はい、開けられます」


クロードが説明を続ける。


「しかし、警告しておきます」


「扉の向こうは、1000年間封印されていた世界」


「何が待っているか分かりません」


「そして、コレクターの影響が残っているかもしれません」


二人は覚悟を決めて、扉に手をかけた。美久は人間の手で、ユイは小さな前足で。


扉に触れた瞬間、激しい光が二人を包んだ。美久のアミュレットと、ユイの首の紋章が共鳴し、古代文字が金色に輝き始めた。


ゴゴゴゴ...


重い音を立てて、扉がゆっくりと開いていく。1000年ぶりに開く扉。軋む音が、地下通路全体に響き渡る。


向こう側から、暖かい光が差し込んできた。それは太陽の光のようで、月の光のようでもある、不思議な輝き。


「行きましょう」


美久が決意を込めて言った。


「1000年前にできなかったことを、今度こそ成し遂げるために」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ