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第74話 深紅の棘と紫の牙 ― 因縁の激突

白百合女学院の特別訓練室。

重厚な扉の向こうでは、中東の戦火が遠く響くように、レイラインの歪みが微かな黒い蔓となって空気を震わせていた。

カンナは銀髪を静かに揺らし、紫がかった瞳に冷たい決意を宿して歩いていた。

彼女が向かったのは、薔薇宮 ルリカの元だった。

深紅の波打つロングヘアが炎のように揺れ、深紅がかった紫の瞳が鋭く輝くルリカ。

グラマラスな体躯(B88/W59/H90)が、苛立ちを抑えきれずに微かに震えていた。

カンナの後ろには、連れてこられたばかりの1年生・つむぎではなく、紫苑が立っていた。

深い紫色のロングヘアを高めポニーテールにまとめ、紫がかった青い瞳を敵意むき出しにしている。

スレンダーな体が、緊張で張りつめていた。

カンナは淡々と告げた。


挿絵(By みてみん)



「薔薇宮 ルリカ。

 私の過去の観察データから、あなたと藤ノ宮 紫苑は極めて高い相性を持つと判断された。

 この二人をペアに組み、早急に中守り人候補として育成したい。

 政府の要請は切迫している。……どうか、受け入れてほしい」


ルリカの美しい顔が、一瞬で歪んだ。


「は? ふざけないでよ、カンナ先生!

 私を誰だと思ってるの? 私は白百合 桜良を諦めてなんかいないわ!

 あんな……紫苑みたいな、生意気な1年生のガキとペア? ありえない!

 汚らわしい、ただの蔓みたいな花が、私の深紅の薔薇に絡みつくなんて、吐き気がするわ!」


ルリカの声は罵詈雑言の嵐となった。

深紅の髪が激しく揺れ、花の適性が反応して、部屋に赤黒い棘のような粒子が散らばり始めた。


挿絵(By みてみん)



何も聞かされず突然連れてこられた紫苑も、即座に敵視をむき出しにした。


「ルリカ先輩こそ、何様のつもり?

 桜良さんを独り占めしようとしてるだけの、傲慢な深紅の棘じゃない!

 私みたいな『生意気なガキ』にだって、紫の花を咲かせる権利はあるわ。

 あなたみたいなグラマラスで派手なだけの先輩に、負けるわけないんだから!」



挿絵(By みてみん)



二人の視線が激しくぶつかり合い、空気に火花が散った。

気性が荒く、プライドの高い者同士。

因縁の火種は、瞬時に燃え上がった。

カンナは静かに、しかし計算された微笑みを浮かべた。


「そこまで言うのなら……お互いの力量を確認したいわね。

 能力を全力でぶつけ合って、勝ったほうが相手を『支配』できることにしましょう。

 ペアの話は、勝負の結果次第で吹き飛ばしてもいい。

 どう?」


ルリカの瞳が、獲物を狙うように輝いた。

これはカンナの作戦だった。

二人の荒い気性を逆手に取り、ペア拒否の感情を「勝負」という形で爆発させ、

その激突の中で互いの花の相性を、身体で刻み込ませるためのもの。


「ふふ……いいわよ。

 この生意気な後輩を、深紅の蔓で締め上げてあげる!」

「やってみなさいよ、先輩!

 私の紫の牙で、あなたの派手な花なんか、引き裂いてやる!」


こうして、ペアの話は一瞬で吹き飛んだ。

二人は互いに距離を取り、制服のボタンを乱暴に外し始めた。

花の粒子が激しく舞い上がり、部屋全体が深紅と紫の渦に飲み込まれていく。

壮絶なキャットファイトが、今、始まろうとしていた――。

深紅の波打つ髪と紫のポニーテールが激しく絡み合い、

グラマラスな体とスレンダーな肢体が、床に転がり、押しつけ合い、

花の棘と牙が、互いの肌を優しく、しかし容赦なく刺激し合う。

カンナは壁際に静かに寄り、紫がかった瞳でその光景を見つめていた。

この激しい衝突が、二人の花をどれだけ強く結びつけるか――

レイラインの乱れが迫る中、彼女はただ、冷たく計算していた。




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