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第68話 嫉妬の蕾、芽吹く決意

カンナの指導の翌朝。

白百合女学院の校門近く、いつもの待ち合わせ場所で桜良と紡は顔を合わせた。

桜良は少し気まずそうに視線を泳がせ、黒髪ロングを指で軽く梳いていた。

昨日のカンナの裸体と激しい指導の記憶が、まだ頭から離れない。

すると、紡がいつも通り小さく駆け寄ってきて、桜良の手を自然に握ってきた。

その手の温かさに、桜良は少し驚いた表情を浮かべた。

「……大丈夫?」

桜良がそっと尋ねると、紡は琥珀の瞳をまっすぐに上げて答えた。

「大丈夫じゃないです、私……怒ってます」


挿絵(By みてみん)




その言葉は意外にしっかりしていて、桜良は目を丸くした。

紡は少し頰を膨らませながら、しかし落ち着いた声で続けた。

「でも、先生から『ちゃんと見ていなさい!!』って怒られたときに、少し客観的に見れたんです。

やみくもに腰を振ってもダメなんだって……

だって咲良さんも私も、カンナ先生に一方的に腰を振らされて、ほとんど動けなかった。

でも……めちゃめちゃにされました」

桜良は静かに頷いた。

昨日の自分の激しい喘ぎと、紡の見たことのない卑猥な絶頂の姿を思い出し、胸がざわつく。

「きっと技術的にも精神的にも、教えてくれたのかなって……」

紡の言葉に、桜良は少し首を傾げた。

「精神的?」

「はい。この嫉妬の感情です。

花の能力を引き上げるために、わざと交互に見せたんだなって……

先生は、私たちがお互いを強く想う気持ちを、刺激したかったんじゃないでしょうか」

紡の考察は冷静で的確だった。

いつもはお姉さんのように紡を優しくリードしている桜良が、逆に感心した表情で聞き入っている。


挿絵(By みてみん)




紡は少し声を低くして続けた。

「それが……ちょっとむかつくんです!!」

「え?」

桜良が驚いて目を瞬かせると、紡は桜良の手をぎゅっと握りしめ、頰を少し赤らめながら言った。

「咲良さん、もっともっと練習していつかカンナ先生に仕返ししましょう!

ふたりがかりで、めちゃめちゃにしちゃいましょう!」

その言葉に、桜良の紫銀の瞳がぱっと輝いた。

気まずさや屈辱が、一瞬で晴れるような笑顔になる。

「うん、そうだね!

絶対に仕返ししよう!」

二人は手を強く繋ぎ合い、朝の陽光の中で小さく笑い合った。

嫉妬という棘が、二人の心に新しい火を灯したようだった。

まだ花芯合わせは遠いけれど、そのための練習への意欲が、確かに芽吹き始めていた。



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