45 非情な政府
洋梨子と琉生は佐川の研究室へ戻ると3人でこれからどうしたらいいか何時間も話し合った。罪滅ぼしとして地底人の子供たちを地下のシェルターから連れ出し、どこかに住まわせ、食品など生活支援をしていかなければならないということで3人の意見は一致したが、それは気が遠くなりそうなくらい大変なことで、時間とお金と労力がかかることは明らかであった。
そこで佐川の知り合いの国会議員を通じて国会で話し合ってもらうことにした。彼女の知り合いが代表を務める政党は小さいが、何とか法案を提出できるギリギリの人数だった。
だいたい政府の勝手な判断で地底人を滅ぼしてしまったのだから、当然償いとして尽力するという国会決議になるだろうと洋梨子たちは楽観的に考えていた。
しかし国会での議論及び採決の結果は圧倒的多数による否決だった。理由は、先に攻撃してきたのは地底人であり、人類を守るためにはKK247で反撃するしか無かったのだと。地底人がミサイルのために滅亡したとされた後、7人(実際は8人)の残党が警察や自衛隊を手こずらせ、幾人もの死者が出たが、それも謎の地震も全て政府の指揮のもと、警察、自衛隊、地震学者たちの手で解決した、つまり自分達の手柄であると。
実際は政府は洋梨子たちに何とかしてくれと泣きついてきたのに、洋梨子たちが死闘の末に問題を解決したことには言及されず、完全に無視されていた。
更に驚くことには、もし本当に地下のシェルターに地底人の子孫が残っているのであれば、その子供たちも滅ぼすべきだ、災いの芽は早く摘み取るべきだ、だがもう少しで食料が尽きるということであれば、そのまま放置しておけば予算も使わなくて済む、という非人情な結論だった。




