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4 洋梨子の父 胡瓜(きゅうり)博士の不安

洋梨子は愛情豊かな両親のもとで何不自由なく育ったせいか、実に無邪気で屈託が無い。彼女の父である胡瓜博士は優秀な工学博士である。ただ偏屈でアクが強いので、他の教授たちと意見が対立し、大学及び研究者仲間から村八分にされてしまい、今は外部との接触をすべて絶ってひっそりと独自の研究を続けていた。


 ここは秋田県の田沢湖。湖畔には樹木が生い茂り、小鳥たちがのびのびと暮らしている。実は誰も知らないが、湖底には巨大な建物があった。形は中世ヨーロッパの古城といった感じで、水はもちろん、外部から何者も侵入できないように水色のバリアが張り巡らされ、たとえ潜水したとしてもそこに何があるのかわからないようになっていた。


この古城のような建物は胡瓜博士の秘密の研究所なのだ。


胡瓜博士は最近湖底から発信されている不審な電波をいぶかしく思っていた。そこでその電波を解析したところ、何らかのメッセージらしいことが判明し、約1ヶ月かけてそれを解読した。するとそこにはとんでもないメッセージがあったのだ。


 データメッセージを解析していた博士の額には油汗が滲み、表情は蒼白だった。そこには恐ろしいことが記録されていたのだ。


その内容を極めて簡単にまとめると、

 「我々は人間と同じ体を持っており、高い知能も兼ね備えている『地底人』だ。我々は、地上で我が物顔で振る舞っている人類に対して強い不満を持っている。


というのも、人類は地上で自然を破壊し、動物を殺し、戦争で同じ人間を殺戮するだけでなく、我々地底人が長年にわたって密やかに暮らしてきた地下をも汚しつつあるのだ。


我々は地下水の汚染については長年にわたって我慢してきたが、放射性廃棄物については絶対に見過ごすことはできない。


人類はこれまでに少なくとも30万トンの高レベル放射性廃棄物を生み出してきた。それは安全のため、少なくとも10万年の間、生物から隔離しておかなければならない。


例えばフィンランドのオンカロは、5キロメートルのトンネルが岩盤の中を蛇行しながら400メートル下の貯蔵庫につながっている。こうした施設が地下のあちこちに作られれば、我々地底人がとんでもない被害を受ける、場合によっては地底人の滅亡につながりかねないと危惧しているのだ。


そこで我々は地球人を消し去り、地上を根本的にリフォームし、我々は地上に進出し、自然と調和した地上の楽園を創出したいと考えるものである」

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