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37 忘れた黄色いカプセル

「一つだけ方法があるわ。胡瓜博士が最も精根を傾けて作ったものは何かしら?」

「確かマスカットカノンよね」


「その銃は700通りのモードで撃つことができ、あなたのアップルスーツにある小型カプセルを装着すれば、小さな銃なのに信じられないほどの破壊力と熱を発することができるわ。


確かモード078にして黄色いカプセルをつければ、恐らく瞬時にしてあの爆弾の外側の金属を突き破り、そのことで信管が反応する前に信管そのものを焼き尽くして爆発を防ぐことができるはずよ。


もちろん、そうならなかった場合は爆弾は爆発するけど、でも他に手立てが無い以上、いちかばちかやってみるしかないわね。


私はキャロットマシンの中からコンピュータのモハベと共に限りなく誤差なくマスカットカノンの照準が定まるようにギリギリまで最大限の努力をするから、あなたは黄色いカプセルをカノンに装着して狙いを定めてちょうだい。


かなりの熱と光が発生するから、この特殊ヘルメットをかぶってね。体はアップルスーツが守ってくれるから大丈夫よ。じゃ、これから私は計算作業をするから、あなたも準備してね」


その時洋梨子は子供の時にテレビで見たSFもののウルトラセブンのある回を思い出した。


セブンがガッツ星人に負けて透明な十字架にはりつけられている。夜明けになり、ガッツ星人の円盤群がやってきてセブンの処刑を始めようとしていた。


そこに地底を掘り進めることのできるウルトラ警備隊のマグマライザーがやって来る。希少価値の宝石から作ったビームをセブンの額のエネルギータイマーに照射すればセブンが復活できるというのだが、ビームは2回照射する分しかない。


もし照射に失敗すれば、セブンは処刑され、地球はガッツ星人に支配されてしまう。ビームを発射するソガ隊員は脂汗を滲ませ、震える手で狙いを定めてスイッチを入れる。


洋梨子もちょうど似たような状況になっていた。このマスカットカノンの一発で地球を救えるのか、地球が宇宙の藻屑と消えてしまうのか。震える手でカノンを構えた。佐川さんのカウントダウンの声が聞こえてきた。


「5、4、3、2、1、発射!」

引き金を引こうとした瞬間ミスに気がついた。


「ご、ごめんなさい。緊張してたせいか黄色いカプセルを装着するの忘れてたの」

「分かったわ。ではもう一度やり直しね。今度はしっかり頼むわよ。えーと、今細かい誤差を修正するから3分ほど待ってね」


その間に洋梨子は黄色いカプセルをアップルスーツから外し、カノンにカチッと音がするまでしっかりと装着した。

「では今度こそ頼むわよ。5、4、3、2、1、発射!」

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