20 丁重な扱いと不自然な笑み
「やはりそうでしたか。誠に申し訳ありません。ここに人類を代表してわが国の総理大臣からのメッセージビデオがありますのでご覧ください」
するとキャロットマシンの前にあるライトから光が出てその場に総理大臣の姿が現れた。総理はこの件に対する謝罪をしてから、今後は地底国のために最大限の努力をすることを誓い、これからは攻撃をやめてほしいこと、そしてこれからはお互いに仲良く友好関係を築きたいと話していた。
「なるほどわかりました。それではしばらく攻撃を止め、様子を見させていただきましょう。ただいまの総理の言葉通り、改善の兆しが見られましたら、是非とも友好関係を築かせていただきたいと思います」
その瞬間男はやや不思議な笑みを浮かべた。
「では貴女が無事に帰れるよう、護衛艦を1台貴女のマシンの後ろにつけさせますから」
「そんな、そこまでしていただかなくても大丈夫ですわ。ご心配無く」
「いえ、はるばる遠くこんな地中深くまで来ていただきましたので、我々からのささやかな気持ちです。是非ともそうさせてください」
「恐縮です。それではお言葉に甘えさせていただきます」
これほど丁重に扱われるとは。しかし洋梨子は大臣の不自然な笑みが気になっていた。
「何か変だわ」
キャロットマシーンが地底帝国を出発すると後から護衛艦が一定の距離を保ってついてくる。洋梨子は叫んだ。
「サーベイランスモードは引き続きマックスよ。後からついてくる護衛艦も何をするかわからないわ。とにかく油断しちゃダメよ」
「分かりました。お嬢様、さぞお疲れでしょう。何かあれば起こしますから、さ、どうぞお休みください」
「分かったわ。それではあなたに任せるわ」




